65歳からでも本をだしてみようかい推奨図書『おもしろ日ロ関係散歩道』

-北方領土返還交渉に頑張る首相にも読んで欲しい「現場ロシア論」-

■本の概要
著者:菅野哲夫
発行:東京図書出版
発売:2017年3月24日
定価:本体1,500円+税
判型:四六判 226頁
購入:書店・アマゾン
(直接の場合のMail先:sugano_tetsuo@mac.com)
ISBN978-4-86641-045-6

■本の帯文で強調したこと
もう少しロシアを知ろう!
* 日本凌駕の可能性を秘めた潜在力豊かな国
* 神秘的で、強いボス、コネ、集団性気質の国
* 掛け声だけでビジネスは動けない国
* 一強手法の領土問題解決は両国民の為ならず

ロシアは近くて遠い国。何でもあるが、何が起るか分からない国。そのロシアと難問(平和条約・北方領土問題)解決に向け、昨年来安倍首相が一生懸命だ。だが、マクロの知識はあっても、ミクロやソフトの現場感に問題おおありだ。こうした日ロ間のギャップを埋めたい。これがこの本を書くに至った動機だ。

attach-20170330

■本の「はじめに」で書いたこと

いまなぜロシアか?

ロシアは近くて遠い国。何でもあるが、何が起るか分からない国。そのロシアと難問(平和条約・北方領土問題)解決に向け、昨年来安倍首相が一生懸命だ。平成28年9月2日~3日ウラジオストックで開催された東方経済フォーラム2016で、安倍首相はプーチン大統領に次のように呼びかけた。

1. ウラジオストクをユーラシアと太平洋を結ぶゲートウェイにしましよう。
2. ロシア産業の多様化を進めて生産性を上げ、ロシア極東地域を、アジア太平洋に向けた輸出の拠点にしましょう。
3. あらゆる困難を乗り越え、日本とロシアがその可能性を大きく開花させる世界を、次の世代の若い人たちに残していこうではありませんか。
4. 無限の可能性を秘めた二国間関係を未来に向けて切り開くために、私はウラジーミルと共に、力の限り、日本とロシアの関係を前進させる覚悟です。

懸案の問題解決を念頭においたスピーチ。これを聞いたプーチン大統領の評価は「シンゾーは演説が上手だ」。この評価には「口先上手」の裏の意味もある。ロシアの知識、体験、現場感覚などの欠如。マクロやハードの知識は十分でも、ミクロやソフトの理解はどうか。

筆者の母校山梨県韮崎高校の校訓は「百折不撓」。安倍首相の対ロ政策はそれを地でいくようで頼もしい。しかし現場感覚なき「百折不撓」は問題複雑化の因ともなる。実は、ノーベル賞大村智博士も同窓である。筆者は昭和38年3月卒業時「知事表彰(賞状と時計)」を受け、大学でロシア語を学び、東京銀行・在モスクワ日本大使館、みちのく銀行・欧州復興開発銀行で、ロシアと付き合い共に歩んできたビジネスマンである。

本書は、筆者が40年以上ロシアビジネスに従事し、ロシアに生活し、ロシアの国や人々とおつき合いやビジネスを行い、それら現場で見聞きした実際の体験・知見を集大成したものであり、筆者の人生そのものを凝縮した1冊でもある。

安倍首相が北方領土問題の解決を目指し、問題の解決に奮闘すること自体まことに喜ばしい。しかしあまりにも「現場感のない対応ぶり」に筆者は困惑し、落胆。こうした当然ともいえる認識ギャップを埋めたい。『現場感のうえに立ったロシア書』を書いてみよう。これがこの本を書く動機になった。

まず、ロシアの自然・国土・人口・寿命・主要経済指標を日本と比較し、ロシアの強みや弱みを探る。ついで、ロシア人の源流と国家の成り立ちから現在のロシア連邦誕生に至るロシア史を概観し、転じて日本との関係、とくに漂流民のロシア人との出会いの史実を訪ねる。加えて1998年ロシア金融危機直後に実現した邦銀初のロシア現地法人設立物語など、日ロビジネスの現場を語る。最後に「ゴルバチョフ登場から現在に至るロシアの主要出来事を概観し、そのハイライトとして、今次の日ロ間の「北方領土問題交渉」のポイントにつき、現場的視点に立った解説を試みるという構成・章立てである。

この本が、ロシアに興味を持ち、ロシアを知りたい,ロシアとビジネスをしたいと思っている研究者、ビジネスマン、学生、ロシアを少しでも知りたいと思っているひとたちに、『現場ロシア論』をお届けするという目的が若干なりとも果せたら、望外の幸せである。

投稿者: 菅野哲夫 ロシア語 1967年卒業

本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで

本の紹介:『愛しのオクトパス 海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界』訳書

attach-20170306

おかげさまでこのたび拙訳書が刊行されましたので、ご案内申し上げます。
ご高覧くださいましたら幸甚です。

『愛しのオクトパス 海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界』
サイ・モンゴメリー著、小林由香利訳
亜紀書房刊
2017年2月17日発売
定価 2,200円+税
ISBN978-4-7505-1503-8 C0045

http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=808&st=4

【内容紹介】

心臓は三つ、退屈が大嫌い、生涯で一度だけ恋をする。
私はタコ。あなたは誰?

タコほど人間とかけ離れた動物はそうそういない――タコについて専門的な知識もほとんどなかった著者は、ある日ボストンの水族館で1匹のタコと出会う。アテナ、オクタヴィア、カーリー、カルマ……個性豊かなタコたちと、八本の腕と吸盤を通して交流を重ねるうち、著者は他者なるものが持つ「もうひとつの知性」の可能性を感じ始める。
愛すべきタコたちと彼らを取り巻く人々との思い出を綴った、2015年全米図書賞・ノンフィクション部門最終候補作。

【訳者より】
タコにすっかり魅了された著者の案内で、魅力的な生き物たちに出会い、水族館の舞台裏やダイビングの世界ものぞくことができる一冊です。装幀デザインを五十嵐哲夫さん、カバーイラストを漫画家の望月ミネタロウさんが手がけてくださっています。書店などで見かけたら、お手に取ってみてください。タコのイメージが変わるかも。どうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿者 :小林由香利 英米語 1989年卒業

本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで

出版案内『日本語「形成」論―日本語史における系統と混合』

2017-01-16_131846

崎山 理 著
三省堂
2017年1月18日発売
定価 本体4,300円+税
A5判 304頁
ISBN 978-4-385-35315-9

【本の紹介:「チラシ」から】
日本語は、オーストロネシア語族、ツングース諸語という南北両系統の言語の混合化が、最終局面に達した言語である。オーストロネシア語研究の泰斗が、従来等閑視されてきた民俗語彙の意味変化もふまえて精緻に展開する、新視角研究の成果。
(元東外大言語学教授・宮岡伯人氏の推薦辞:この日本語形成論を棚上げしたままでは、行きづまった日本語の由来問題に風穴を開けるbreak throughは望めない。)

【内容:「まえがき」から】
本書では、比較言語学での作業成果となるオーストロネシア祖語と古代日本語との音韻対応法則に基づき、第4章で100語近くの語彙、第5章ではカテゴリーに分けた民俗語彙および第9章では地名の分析を示している。語源に関心をもつ人を始め具体的にもっとも興味をもたれるのは、これらの章であろうと思う。ただし、汲み取っていただきたいのは、言語研究でなおざりにされている意味変化に対する態度である。語源が同じでも言語間で、そして同じ言語でも時代が異なれば意味に何らかの変異が起こらない方が不思議である。すべての語彙は環境の影響を受け歴史的に変化する。一方で、意味変化の原因を先験的に考えることの困難さが幻想的、独断的解釈を生ませる余地を与えてきた。意味変化はそれぞれの民俗文化と民族知識に基づいて考究するしかない。本書における意味変化への取り組みの努力を汲んでいただければ幸いである。

三省堂総合HP:日本語「形成」論―日本語史における系統と混合

投稿者:崎山 理 フランス語 1962年卒業

本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで

本の紹介『節英のすすめ 脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ!』

節英のすすめ表紙

木村護郞クリストフ 著
萬書房2016年刊

【本の概要】
英語ができなきゃダメの脅迫観念から自由になり、節度をもって英語を使おうよ! と脱英語依存をすすめる。なぜ節英なのか、英語の光と影をさまざまな角度から検証。英語を飼いならす、りんご(隣語)をかじろう、意外と日本語でいける等々、節英の具体的な方法も満載。セツエイを国際語に!と提案する。節英から世界の別の姿が見えてくる。

【「はじめに」より】
「グローバル化時代」に対応するためにはひたすら英語力を高めていくしかない、あるいは、英語ができなければこれからの「グローバル化社会」でやっていけない、といった強迫観念から自由になろうよ! というのが本書の基本的な主張です。

【節英とは】
自分の英語使用がどのような意味をもつかを自覚して、節度をもって使うこと

目次等詳細:
http://yorozushobo.p2.weblife.me/shosekishokai10.html

投稿者:木村 護郎クリストフ  ドイツ語 1997年卒業
本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで

出版案内『学びのイノベーション―21世紀型学習の創発モデル』

表紙:学びのイノベーション

OECDの教育研究革新センター(CERI)の刊行物を翻訳して出版いたしました。
2016年9月22日出版の『学びのイノベーション―21世紀型学習の創発モデル』を紹介させてください。世界の急激な変化、技術の急速な進歩などをふまえて、これまでの教育とは異なる、21世紀型の教育を考える上で必読です。

【本の紹介】
21世紀の知識基盤型社会には、どのようなスキルやコンピテンシー、学習の質が求められるのか? 学習科学研究の知見や、OECD諸国におけるオルターナティブ・スクール等の先進的な事例から、イノベーティブで創造的な「新しい学び」を模索する。

【内容】 本書は、教室を真に効果的な学習環境にするべく、再デザインするために使用できる認知的・社会的プロセスに光を当て、学習科学から得られた重要な知見を要約し議論する。オルターナティブ・スクールからメキシコでの特徴的な事例研究まで、OECD加盟国における具体例を探究し、従来の型を打ち破り、学習科学研究から創発されてきた原則の実現を求めていく。本書はまた、学習を最適化することが推進目的となり、イノベーションが広範囲に及ぶ変化の触媒とも、起こるべき結果ともなる知識時代に、これらの洞察がどのように教育改革を呼び起こすかを模索していく。

明石書店HP: 学びのイノベーション-21世紀型学習の創発モデル

投稿者 :小熊(藤原) 利江 ドイツ語 1989年卒業

本の紹介「覇王習近平 メディア支配・個人崇拝の命運」

attach-201608012

中国の政局は、このところ習近平国家主席に権力が集中し、内向きで頑なな方向へと進みつつあるように思えます。一方で、メディアに対する異常な締め付けや、毛沢東時代のような個人崇拝と権力の集中に対して根強い反発も見え隠れしています。
そこで、いま中国中枢で何が起こっているのか、ニュースの裏に潜む激動の動きを探りました。
もしご興味がありましたらお手に取っていただければ幸いです。

投稿者 加藤青延  中国語1978年卒業

本の紹介 3冊まとめて『ゲルダ』『音楽用語のドイツ語』『高齢社会におけるイノベーションと進化発展のダイナミズム』

ゲルマニア会(ドイツ語学科卒業生の同窓会)会員の著書・訳書を3冊、紹介します。アルムナイ文庫に寄贈してありますので、外語会プラザにお立ち寄りの方はどうぞ手に取ってみてください。

① 『ゲルダ』
著:イルメ・シャーバー 訳:高田ゆみ子(D1979) 解説:沢木耕太郎
祥伝社刊

グラフィックス1

解説者・沢木耕太郎氏 まえがきより:
ゲルダについて私たちは多くを知ることがなかった。ある時期までは、リチャード・ウイーランが著わした『キャパ』の中で触れられている彼女についての情報がすべてだった。
だが、ウイーランのゲルダは、あくまでも「キャパの恋人」としてのゲルダだった。キャパにとってどのような意味を持つ存在だったのか、という観点を大きく出ることはなかった。
ところが、ここにイルメ・シャーバーの『ゲルダ』が現れた。
私は、あらためてゲルダという女性の像が明確になってきたことに、興奮を覚えた。

訳者コメントより:
ドイツ語を学んだとは言え、私は研究者にも教職者にもならなかった。しかし「翻訳」という仕事の道具を通して、この短くも凝縮したゲルダの生涯を追体験出来たことは実に幸福な経験だった。思えば、ゲルダの一生と同じぐらいの年月をかけてゲルダへの長い旅を続けてきた思いがする。

②『音楽用語のドイツ語』
著:岩川直子(D1969) 著:佐藤英

グラフィックス2

著者まえがきより:
ドイツ音楽を演奏したり、ドイツ音楽の解釈に携わろうとする人にとって、ドイツ語やドイツの文化、ドイツ人のものの考え方を知ることは大変重要なことです。
必ずしも辞書のような使い方でなく、気になる言葉から「読む感覚」でお楽しみください。項目に挙げた用語に関連するエピソードやヒントが「コラム」覧に書かれています。

③『Innovations- und Evolutionsdynamik in demographisch alternden Gesellschaften 』 博士論文(高齢社会におけるイノベーションと進化発展のダイナミズム)
Autor: Kazue Haga (芳賀和恵)(D1989)
Verlag:

グラフィックス3

著者要約より:

本論は、人口動態と経済発展の関連を論ずるものである。革新的イノベーションを生み続けない経済は、停滞する。既存のイノべ―ションは経時的にダイナミズムを失っていき、既存産業の活力は低下するからである。

イノベーションによる高齢社会の持続的な経済発展は前提条件の多い理論的コンセプトである。しかしながら、実現可能な経済発展の理論コンセプトであると結論づける。

紹介者:ゲルマニア会 世話人幹事  能登 崇  ドイツ語 1966年卒 

本の紹介「フランス語作文の方法」

フランス語作文の方法(表現編)

書籍名:フランス語作文の方法(表現編)
仏語書籍名:thèmes français (expressions)
著者:木村 哲也(北海道教育大学函館校准教授)
判型:四六変形
ページ数:292ページ
定価:本体2,500円+税
発行所:(有)第三書房 http://www.daisan-shobo.co.jp/

第三書房QRcode

★ フランス語の作文力を確実に身につける本格的な入門書.
★ 216の表現パターン別に,課題文と1,000題以上の練習問題を訳しながら文法規則に従い,意味が正しく通じるフランス語を書く力を養成.
★ 詳しい解説と豊富な例文によって作文のコツを習得.
★ 日本語の課題文とフランス語解答例を収録した音声を無料でダウンロードできます.
★ 本文に出ている表現や熟語などを網羅した詳しいフランス語・日本語索引付き.

投稿者 :木村 哲也 中国語1982、フランス語1984、大学院1989年卒業

本の紹介『ヒトはどこまで進化するのか』

本 人はどこまで進化するのか

おかげさまでこのたび拙訳書が刊行されましたので、ご案内申し上げます。
ご高覧下さいましたら幸甚です。

『ヒトはどこまで進化するのか』
エドワード・O・ウィルソン著、長谷川眞理子解説、小林由香利訳
亜紀書房刊
2016年6月24日発売
定価 本体2000円+税
ISBN978-4-7505-1475-8 C0045

http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=774

アリなどの「社会性昆虫」の研究でも知られ、自然科学と人文系の諸学の統合を論じてきた生物学者のウィルソンが、さまざまなアングルから「人間が存在する意味」を探る旅へと誘います。理系が苦手な訳者に代わり、行動生態学の長谷川眞理子先生が素晴らしい解説を寄せてくださっています。理系・ノンフィクションは苦手という方や、若い方にも読んでいただけたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿者: 小林由香利 英米語 1989年卒業

本の紹介『レーニン対イギリス秘密情報部』

表紙レーニン対イギリス諜報局

『レーニン対イギリス秘密情報部』(ジャイルズ・ミルトン著、築地誠子訳、原書房、3500円+税)
書評掲載:週刊文春「私の読書日記」(立花隆氏、2016年4月14日号)
読売新聞(奈良岡聰智氏、2016年5月15日)
日本経済新聞(川成洋氏、2016年5月25日)

2016年3月刊行の拙訳書『レーニン対イギリス秘密情報部』を紹介させて頂きます。

本書は、ロシア革命前夜の1916年春から革命後の1921年春までの5年間にわたり、イギリス秘密情報部とイギリス領インド帝国の諜報員たちがペトログラード(現在のサンクトペテルブルク)、モスクワ、中央アジアのタシケントで繰り広げた命懸けの諜報活動を描いた歴史ノンフィクションである。彼らの多くがロシアの秘密警察に尾行され、逮捕・処刑される危険にさらされながら、機密情報を自ら、あるいは赤軍、共産党、政府内の反ボリシェヴィキの協力者から入手して暗号化し、イギリスやインド帝国に送り続けた。そして彼らの活動の成果により、イギリスは1921年の英ソ通商協定締結を有利に進めることができた。「フロックコートを羽織った大使が一年かかってしまうことを、変装した諜報員は一日で達成することができた」のだ。現代諜報戦はまさにここから始まったと言える。
イギリス人諜報員として登場するのは、すでに『人間の絆』を出版していた作家のサマセット・モーム、後年『ツバメ号とアマゾン号』シリーズで児童文学の大家となるジャーナリストのアーサー・ランサム、ジェームズ・ボンドのモデルと言われた「最強のスパイ」シドニー・ライリー、諜報活動の功績によりナイトの称号を与えられた「百の顔を持つ男」ポール・デュークス、ロシア人の協力者や連絡係のネットワーク作りに長けた陸軍航空隊将校ジョージ・ヒル、著名な探検家でもあったインド帝国政治部の情報将校フレデリック・ベイリーほかである。彼ら(ベイリーをのぞく)の総司令官にあたるのが、本書のカバーでレーニンの後方に写っている片眼鏡の軍服姿の男マンスフィールド・カミング――イギリス秘密情報部(後年のMI6)の長官「C」だ。
現代では考えにくいことだが、彼ら諜報員はイギリス帰国後、自らの冒険談――もちろん機密情報については触れずに――を回顧録や記事として活字に残している。著者は彼らのそうした主観的でやや誇張気味の文章と、彼らがカミングやインド帝国情報部宛てに送った客観的な報告書の副本(1997年に情報公開)を照合しながら本書を書き上げた。
著者のジャイルズ・ミルトンは日本でも人気の作家で、9作の歴史ノンフィクションのうち既に4作(『スパイス戦争~大航海時代の冒険者たち』『コロンブスをペテンにかけた男』『さむらいウィリアム』『奴隷になったイギリス人の物語』)が邦訳されている。

書評等ですでにご存じの方もおられるかもしれませんが、書店や図書館にお出かけの際はお手に取って頂ければ幸いです。活字もやや大きめの仕上がりになっております。

                 投稿者:築地(岩崎)誠子、ロシア語科1976年卒

「大真面目に波乱万丈人生」出版

大真面目に波乱万丈

山古志村から上京し、豆腐屋の丁稚から外語大に進学したころから波乱人生が始まりました。在学中ブラジル移住を試みたり、銀行員になったり、パナマに移住したり、サウジアラビアで勤務したり、植木屋をやったり、JICAで勤めたり、遂にはミャンマーにとりこになって悪戦苦闘を続けている私。外語大卒のインテリとはほど遠い人生。でも外語大で学んだからこそ歩めたこの道。深く感謝しています。
掲題の著書を外語会会員の皆様に一定数を進呈させていただきます。
kaztanaka1843@gmail.com までご連絡下さい。

投稿者 :田中和雄 ポルトガル語 1958年卒

 

本の紹介 煙草カリフォルニアウィルス

煙草-帯あり

煙草 カリフォルニアウイルス
フワン・ラモン・サラゴサ著

標記のスペインの小説を翻訳し、文芸社より出版しました。6月上旬発売の予定です。
お近くの書店でお求め下さればありがたいと思います。世界中から煙草がなくなってしまうお話です。
著者の本業はセビリア大学の医学部教授で放射線科の医師だが、ナダル文学賞を受賞した小説家でもある。お煙草の研究に着想を得たアカデミックで推理小説風展開はスリルがあり、適度なお色気やグルメも楽しいが、底流するヒューマニズムは本作の持ち味であろう。

投稿者 :喜多延鷹 スペイン語 1956年卒業

 

 

詩集発行 「きみにおくる恋歌(第一集)(第二集)」

以下の著書を本年2月に文芸社より上梓しました。2冊とも詩集です。

・きみにおくる恋歌(第一集) 時のなぎさ  900円+税
・きみにおくる恋歌(第二集) 風の手紙  1,300円+税
ペン・ネーム:卯月 采(うづき さい)
全国の書店、及びインターネット書店で購入可

‚«‚Ý‚É‚¨‚­‚é—ö‰Ì@Žž

同時に二人を愛した詩人の胸に迫る詩(うた)物語

きみにおくる恋歌 時のなぎさ

きみにおくる恋歌 風の手紙

卯月(うづき) 采(さい)

●内容紹介 きみにおくる恋歌 時のなぎさ

卒業後はじめてのクラス会に現れた旧友。ヒマワリのピアスが、宴を魅了する。「恋人四人」の彼女とのデート。スクリーンにフラメンコが繰り広げられ、篝火のゆらめきに現れては消える幻の小面(こおもて)。思わず男は、友の横顔を見つめるのだった。また別のとき、自分たちと同じ姓の表札を探して、花咲く郊外をそぞろ歩いた。そしてある初秋、思いの込められた手紙が届く。男は号泣する。悟りに達し得た禅僧のように! 期せずして受けた手術は、彼女への贖罪だったのだろうか。いまや迦陵頻伽となった友に書き送る花の便り。子午線の彼方の浜辺で、ふたりの幼子はいつまでも遊びやめない。

前書きが詩で書かれているのがユニークで、しかもクイズつき!

内容紹介 きみにおくる恋歌 風の手紙

人は昔、鳥だったのか、羽ばたき、さえずり、水浴びもして、友を求めて、飛びつづける・・・ある夕方、売り子が勤めるスーパーで買い物中、男は思いもかけない夜闇の深淵を見る。雨がそぼふる宵に、初めての歌を遂に手渡す。やがて彼女が辞めたことを知る。絵手紙を描き送ろうとしていると一匹の猫が現れ、絵を舐め、手を舐め、まつわりやめないのだった。約束の街角で待ちつづける或る日、相手が転居したことを知って詠った歌は、本書の絶唱といえよう。隠者の思いから脱して間もなく、猫が再来する。男が再び街角で待ち始めた或る日、彼女が姿を現したのだった。男は独り号泣する。やがて二人は永遠を求めて旅をし、夕べの湖畔で光と闇を語りあった。その後に詠われた「郷愁」と「合わせ鏡」から「日本のエデンの園」を発想する読者はいないだろうか。文化勲章受賞者から花丸をもらった喜びを、前書きが物語る。

コメント 手紙の衰退と愛の衰退

手紙は、文学の世界には無くてはならない存在の一つだが、今は急速にIT機器に取って代わられつつあるようだ。「きみにおくる恋歌」二編も、あと十年も遅かったら、世に出ることはなかったかもしれない。便利さ、快適さを求めて、文明は進化を早めてゆく一方で、喪われてゆくものは無いのだろうか。

《以下はこちらよりお読みください。》

投稿者: 芝田興太郎  中国語 1966年卒業

本の紹介 詩集『おばけ図鑑を描きたかった少年』

本学の前身、東京外国語学校仏語科出身の詩人北村太郎の詩集タイトルに名を負った出版社「港の人」より、詩集『おばけ図鑑を描きたかった少年』を上梓しました。2014年度朝日埼玉文化賞受賞作「ときのかけら」を含む23篇。ボードレール、サン=テグジュペリなどフランス文学にインスピレーションを得た詩もあります。カバーの白い丸は少年の心や、彼方へと通ずる光を表しています。

image20160405

「サンテックスひとりぼっち」

星々の高みから染み入るように
広がる光のヴェールのもとで
夢を見ていた
不時着したプロペラ機のかたわら
鈍く光る砂丘に身を横たえて
両腕を胸に交差させ
空の水面を眺めながら
夜明けを待っていたのだ

目を覚ましたとき
星の海とのあいだに
介在するものは何もなく
すがりつくものとて何もなく
重さはみなゆったりと
すいこまれていった
しかるに男は
貝殻の入り混じった砂の船台に
身を横たえていたのだ
この船がおれを運んでゆくのか
砂と星々のあいだ
生の磁極が引き寄せる方へと

波打ち広がるテーブルに散らばる
星のかけらがあった
そうだ
これは林檎の木の下に広げられた
テーブルクロスだ
天の高みから落ちてきた
ずしりと重い林檎の実だ
疲れこごったからだはほぐれ
ホーウホウと歌うように
踊るように
サンテックスは歩き始めた

投稿者: 内山 憲一  フランス語1985年卒業