出版案内『日本語「形成」論―日本語史における系統と混合』


2017-01-16_131846

崎山 理 著
三省堂
2017年1月18日発売
定価 本体4,300円+税
A5判 304頁
ISBN 978-4-385-35315-9

【本の紹介:「チラシ」から】
日本語は、オーストロネシア語族、ツングース諸語という南北両系統の言語の混合化が、最終局面に達した言語である。オーストロネシア語研究の泰斗が、従来等閑視されてきた民俗語彙の意味変化もふまえて精緻に展開する、新視角研究の成果。
(元東外大言語学教授・宮岡伯人氏の推薦辞:この日本語形成論を棚上げしたままでは、行きづまった日本語の由来問題に風穴を開けるbreak throughは望めない。)

【内容:「まえがき」から】
本書では、比較言語学での作業成果となるオーストロネシア祖語と古代日本語との音韻対応法則に基づき、第4章で100語近くの語彙、第5章ではカテゴリーに分けた民俗語彙および第9章では地名の分析を示している。語源に関心をもつ人を始め具体的にもっとも興味をもたれるのは、これらの章であろうと思う。ただし、汲み取っていただきたいのは、言語研究でなおざりにされている意味変化に対する態度である。語源が同じでも言語間で、そして同じ言語でも時代が異なれば意味に何らかの変異が起こらない方が不思議である。すべての語彙は環境の影響を受け歴史的に変化する。一方で、意味変化の原因を先験的に考えることの困難さが幻想的、独断的解釈を生ませる余地を与えてきた。意味変化はそれぞれの民俗文化と民族知識に基づいて考究するしかない。本書における意味変化への取り組みの努力を汲んでいただければ幸いである。

三省堂総合HP:日本語「形成」論―日本語史における系統と混合

投稿者:崎山 理 フランス語 1962年卒業

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