ゲルマニア会(ドイツ語学科卒業生の同窓会)会員の著書・訳書を3冊、紹介します。アルムナイ文庫に寄贈してありますので、外語会プラザにお立ち寄りの方はどうぞ手に取ってみてください。
① 『ゲルダ』
著:イルメ・シャーバー 訳:高田ゆみ子(D1979) 解説:沢木耕太郎
祥伝社刊
解説者・沢木耕太郎氏 まえがきより:
ゲルダについて私たちは多くを知ることがなかった。ある時期までは、リチャード・ウイーランが著わした『キャパ』の中で触れられている彼女についての情報がすべてだった。
だが、ウイーランのゲルダは、あくまでも「キャパの恋人」としてのゲルダだった。キャパにとってどのような意味を持つ存在だったのか、という観点を大きく出ることはなかった。
ところが、ここにイルメ・シャーバーの『ゲルダ』が現れた。
私は、あらためてゲルダという女性の像が明確になってきたことに、興奮を覚えた。
訳者コメントより:
ドイツ語を学んだとは言え、私は研究者にも教職者にもならなかった。しかし「翻訳」という仕事の道具を通して、この短くも凝縮したゲルダの生涯を追体験出来たことは実に幸福な経験だった。思えば、ゲルダの一生と同じぐらいの年月をかけてゲルダへの長い旅を続けてきた思いがする。
②『音楽用語のドイツ語』
著:岩川直子(D1969) 著:佐藤英
著者まえがきより:
ドイツ音楽を演奏したり、ドイツ音楽の解釈に携わろうとする人にとって、ドイツ語やドイツの文化、ドイツ人のものの考え方を知ることは大変重要なことです。
必ずしも辞書のような使い方でなく、気になる言葉から「読む感覚」でお楽しみください。項目に挙げた用語に関連するエピソードやヒントが「コラム」覧に書かれています。
③『Innovations- und Evolutionsdynamik in demographisch alternden Gesellschaften 』 博士論文(高齢社会におけるイノベーションと進化発展のダイナミズム)
Autor: Kazue Haga (芳賀和恵)(D1989)
Verlag:
著者要約より:
本論は、人口動態と経済発展の関連を論ずるものである。革新的イノベーションを生み続けない経済は、停滞する。既存のイノべ―ションは経時的にダイナミズムを失っていき、既存産業の活力は低下するからである。
イノベーションによる高齢社会の持続的な経済発展は前提条件の多い理論的コンセプトである。しかしながら、実現可能な経済発展の理論コンセプトであると結論づける。
紹介者:ゲルマニア会 世話人幹事 能登 崇 ドイツ語 1966年卒