コロナ禍にカフカの小篇を読む

フランツ・カフカはスペイン風邪の第二波に罹患して、生死の境をさまよったそうです。昨年の春、コロナ禍で悶々としていたとき、「カフカだったら、今の社会をどう見るだろうか」と思いつき、独和辞典を片手にカフカの小篇を読み進めてみました。掌篇、断章、小品、小片ともいうべきほど短い作品群は案の定、解釈が難しく、立ち往生することが何度もありました。

ドイツ語学科に在籍していたにもかかわらず、まともにカフカを原文で読んだことがありませんでした。「カフカは難解だ」という先入観がありましたが、小篇を一つひとつ読んでみて、遅まきながら「カフカは面白い!」ということに気づきました。

定年退職後、45年ぶりにドイツ語の学習を再開したズブの素人のカフカ論、いや、カフカの小篇についてのエッセイ集。

書名:『ことばへの気づきーカフカの小篇を読む』
著者:松原 好次
出版社:春風社
出版日:2021年10月14日
定価:2700円+税
ISBN:978-4-86110-754-2

投稿者:松原 好次 ドイツ語 1972年卒業

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東京外語会 台湾支部便り

時間:12月11日(土) 18:00~21:30
場所:The RIVIERA Hotel (歐華酒店)  台北市中山區林森北路646號

台湾支部では先日台北市内のホテルにて、約3年ぶりの懇親晩餐会を催しました。その2日前の夜に、台湾国内の新型コロナ新規感染例が約1か月ぶりに発覚し、懇親会実施の雲行きが怪しくなりかけたものの、支部長並びに幹部の皆さんのご尽力により、何とか無事開催にこぎつけることができました。なお、今回は佐々木宏さん(C1996)が12月末に日本へ帰任するということで、送別会も兼ねた会合となりました。さらに佐々木さんの友人で、2か月ほど前に台湾へ引っ越してきた山中肇さん(K2003)も台湾支部の新しいメンバーとして今回の集まりに参加してくれました。
支部長による挨拶と乾杯から始まり、続いて幹部の交代(副支部長、幹事、副幹事)についての発表、並びに東京外語会と本支部についての活動紹介が行われました。その後出席者一人一人から自己紹介と近況報告をしていく中で、佐々木さんからは送別に際し、台湾駐在を振り返っての雑感について話がありました。言葉の節々から台湾に対する情熱が感じられ、一同名残り惜しさを感じるとともに、是非また台湾に戻ってきてほしいとの思いを強くしました。
美味しいお酒と食事に舌鼓を打ちながらの歓談を経て、今度は博学多才の楊全斌さん(C1981)による雑学講義が行われました。1976年の語劇「堯舜湯麵のBALLADE」のエピソード、萬山部落原住民の黒米祭の話、「台湾のサハラ砂漠」こと頂頭額沙洲の謎、及び並外れた経歴(なぜか中国語科卒で現役歯科医かつ法医学者としても実績あり)に一同感嘆し、大変参考になる話が聴けたので、今後の会合でもこの雑学講義をシリーズ化することがほぼ確定しました。
3時間半があっという間に過ぎ、会の最後にはクリスマスということで簡単なギフト交換も行い、次回の再会を約束して解散となりました。コロナ禍の影響もあり、これまでなかなか会合が開けませんでしたが、幸い今のところ台湾国内の感染状況は相対的に落ち着いており、基本的な感染防止対策が義務化されていることを除き、ほぼ通常の生活が送れております。そこで、今後も定期的な会合を設けるなどして、台湾支部のネットワーク強化及び活性化を図り、在籍者の皆さん及び今後新たに仲間に加わっていただける方々にとって魅力ある会にしていけるよう全員で盛り上げていきたいと思っております。引き続き東京外語会の皆様方からのご協力とご支援を宜しくお願い申し上げます。今台湾に在住の方、今後台湾へ赴任ないし移住予定の方など、ご興味があれば是非とも本支部へご連絡ください。

写真左から(敬称略)
【前列】
林雪貞(院1998)、名切千絵(F2008)、楊麗珮(J1982)、王孟芸(院1997)、吳意雯(院1995)、謝佳玲(院1998)
【後列】
謝億榮(J1999)、佐々木宏(C1996)、山中肇(K2003)、楊全斌(C1981)、大前誠(C2006)

投稿者:  大前 誠 中国語  2006年卒業

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2021年 サロン仏友会(オンライン講演会)

11月21日(日)、サロン仏友会(オンライン講演会)が開催されました。本来であれば、本郷サテライトに集まって、フランス語科卒業生による講演の後、ボジョレ・ヌヴォのグラスを手に取り、懇親会を行うのが恒例のスタイルですが、コロナ禍の中、昨年は開催を断念。本年は、安全を考慮してZoomによるオンライン講演会のみの形式で実施しました。中継基地は、仏友会会員の事務所をお借りしました。

はじめに金澤会長代行(1968)の挨拶があり、次いで和賀副会長(1970)による講師紹介の後、音楽プロデューサーの木崎賢治氏(1969)がスピーカーとなりました。演題は、「好きから始まった僕のプロデュースライフ」。氏は、外語大フランス語科卒としては大変珍しいキャリアの持ち主で、卒業後、(株)渡辺音楽出版で沢田研二、アグネス・チャン、吉川晃司等の楽曲の制作を手掛け、その後独立して音楽出版社の(株)ブリッジを設立。槇原敬之、福山雅治、BUMP OF CHICKEN等数多くのアーチストとヒット曲を次々と生み出しました。氏の著書『プロデュースの基本』は、業界の枠を超えて多くの読者を惹きつけています。

この日も、たくさんの木崎語録が披露されました。たとえば、「世の中に全く新しいものというのは、ない」「世の中にないものを作った人はいない」「新しいものは新しい組合せから作られる」。その例として、鉛筆と消しゴムの組合せが歴史的なヒット商品になったことや、大谷翔平選手の二刀流が挙げられました。また、「胸がキュンと感じたことからヒットの法則を見つける」のがヒットを飛ばすコツだそうです。

約70分間の講演の後、質問タイムでも、Zoom画面の向こうから活発な質問が寄せられました。その後、30人ぐらいの視聴者を、卒業年度順に3つの「ブレークアウトルーム(分室)」に分けて、お互いの顔がスクリーン越しに見える形でおしゃべりタイムを用意しました。初めての試みのため、幹事一同は事前に何度も打合せを行ってきました。多少のハプニングはありましたが、参加後のアンケート結果では大好評を博すことができました。

来年のサロン仏友会の頃には、リアルに対面でワイングラスを傾けられる日が復活することを祈りつつ、互いの健康を念じて散会しました。

投稿者: 中村 日出男  フランス語 1974年卒業

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中国経済の本を出版しました

著書名:中国経済は強いーそのシステムとポストコロナの世界経済ー
著者:古島義雄
出版社:晃洋書房
出版日:2021年11月20日
定価:3000円+税
ISBN 978-4-7710-3525-6

内容:中国の経済システムを金融・財政・企業などのサブシステムに分解し、その歴史・経緯から省察することで中国経済の全体像を明らかにしようとしたものです。現在話題となっているアリババ問題、恒大問題、さらには米中対決の背景も本書から明らかになります。
各章の内容は次のとおりです。
第1章 中国異端論ー国際政治経済面からの考察ー
第2章 金融システムー国有銀行中心型システムからインターネットバンキングへ?-
第3章 財政システムー中央政府と地方政府ー
第4章 企業システムー中国の企業とは何かー
第5章 社会保障システムと保険業界ー企業から国家へー
第6章 対外経済システムー「一帯一路」への路ー
第7章 教育システムー科挙から科学技術立国へー
第8章 中国の経済システムー中国経済は「地域分散型複合経済」であるー
第9章 中国異端論を超えてーポストコロナの正統と異端ー

投稿者:古島 義雄 中国語  1969年卒業

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デビュー20周年記念ギターリサイタルのお知らせ

クラシックギタリストの坪川真理子です。
今月末、国分寺いずみホールにて、活動20周年の記念リサイタルを開催します。
広いホールのため、収容人数の半分に制限しますので、是非よろしくお願いいたします。

 

 

「坪川真理子 ~デビュー20周年ギターリサイタル~」
日程 2021.10.30(土)
開演 18:40(開場 18:20)
会場 国分寺市立いずみホール・Aホール
交通 JR西国分寺駅南口より徒歩1分
料金
一般 前売3,000円/当日3,500円
学生 1,000円(小学生100円)
申込
guitar@kusu.jp(楠)
042-401-0098
後援:スペイン大使館、文化庁

<プログラム>
愛の挨拶(エルガー~佐藤弘和)
スペイン・セレナーデ(マラッツ~タレガ)
ソナチネ(トローバ)
夢路より -ソルのエチュード“夢”
Op.35-17に基づく(フォスター/ソル~佐藤弘和)
マルボローの主題による変奏曲(ソル)
プレリュードNo.3(エスタレージャス)
ロンデーニャ(R.S.デ・ラ・マーサ)
朱色の塔(アルベニス~坪川)
「3つの日本の歌」より
荒城の月(瀧 廉太郎~佐藤弘和)
村祭り(文部省唱歌~佐藤弘和)

※曲目は予告なく変更になる場合があります。

投稿者: 世良 真理子 スペイン語 1995年卒業

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『二度の自画像』翻訳刊行

日本語学科卒業後、朝鮮語専攻で再入学し、今は大学院で韓国文学を研究しています。
外大出版会から翻訳書の刊行にあたり、広報にインタビューが掲載されました。
日本語学科で学び始めた韓国語が、このように形になり不思議な気分です。

https://wp.tufs.ac.jp/tufstoday/students/21082301/

投稿者:吉良 佳奈江 日本語  1994年卒業

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オリンピック開催に思う

Tokyo2020オリンピックが始まり、日本人選手の活躍が沈んでいる日本社会に活を入れてくれている。メディアに見られたこれまでの「やる・やらない」議論が一夜にして吹っ飛ぶほど、日本人アスリートたちの活躍だ。彼らの純粋なより早くより高くより強くの精神の発揮に目を見張るばかりだ。

1964年の東京オリンピックを経験したわが身には、このコロナ禍の中で開催できたことに感謝するのみだ。100年前のスペイン風邪影響下にあったアントワープ・オリンピック(参加国29国)があったことを思えば、人類は常にリスク下のイベントに果敢に挑戦してきた。

前回の東京オリンピックでは100国を下回る参加国だったが今回は倍増の200国を超えての参加国だ。国を挙げて各国選手団を歓迎し、世界レベルの活躍を期待するのは当然だ。

開会式の中で忘れていけないのは、1964年大会で世界の44国から持ち寄られた種を日本各地で育て上げその間伐材で作った五輪(オリンピックリング)の紹介であった。

今回は北海道遠軽町の児童支援施設の林で育てた木材のようだが、アイルランド・カナダ・北欧各国はじめ44国から届いた五輪の種を日本各地で大事に育ててきたことを、世界の選手団が届けた五輪への熱い思いをこの57年間大事に繋いできたことを日本国は世界に誇っていい。

そして閉会式では、改めてその日本各地で育った参加各国から送られて種から立派に育った樹木の生命を、世界平和の象徴として、将来のオリンピック開催国と参加されるすべての市民に繋いでいきたいと宣言してほしい。

投稿者: 佐々木 洋  英語 1973年卒業

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キム・オンス 「キャビネット」

いつもお世話になっております。
初版を手にして15年目に拙訳で刊行されることになりました。
SFありホラーありのエンタメ系純文学です。
多くの方にお楽しみいただければ幸いです。

投稿者:加来 順子  朝鮮語 1989年卒業

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「言の葉一つ二つ」

最近、(ウイグルに続き)南モンゴルの中国による人権蹂躙や文化・言葉の喪失が問われている。外語大OBとしては、言葉の専門学校の一つとして、失われていく言葉に対し何か出来ることはないのかと自問の日々だ。
例えば世の中にある外語大の連合組織が、言葉の専門集団の立場から隣国に対し何か言うすべはないものだろうか。
世界に冠たるテムジンの文化、言葉がなくなることなどあってはならないことだろう。

いま人新世が世に言われる。人類(ホモ・サピエンス)が登場して、地球の自然や生き物と同胞を滅ぼしながら現在まで来ている、仕方ないのかと思いつつ、改めて失われた(失われつつある)言語の数を見せられ愕然とする。
アメリカ191言語、ブラジル190言語、オーストラリア108言語、メキシコ143言語そして中国144言語。
如何にヒト族が同胞の部族、言語、文化を破壊してきたのか一目瞭然だ。
自分は英米語学科なので、少し米国史を勉強したが。アメリカの歴史はまさに戦争史である。
アメリカ一の知性とJFKがいうジェファーソン大統領は、最後まで白人と黒人の知力の差を疑わず、人種差別をアメリカに刻んでしまった。BLMにつながった。
ネイティブ・アメリカンをほぼ抹殺した白人たちは更に西海岸到達後もあきらめず太平洋へ進出。
…(続きを読む)

投稿者:佐々木 洋  英語 1973年卒業
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創作漢字書展と68冊目の新著のご案内

現在、「浜田和幸の創作漢字書展」が開催中です。これまでの著作のエッセンスを一文字、しかも創作漢字で表現してみました。入場無料で、会期は5月30日まで。会場は「土屋グループ銀座ショールーム」(銀座三越から徒歩1分)です。作品の一部は「浜田和幸のブログ」でも紹介しています。また、68冊目の新著『イーロン・マスク 次の標的:「IOBビジネス」とは何か』が6月末に祥伝社から出版されます。是非、お楽しみ下さい。

投稿者:浜田 和幸  中国語 1975年卒業

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