11月21日(日)、サロン仏友会(オンライン講演会)が開催されました。本来であれば、本郷サテライトに集まって、フランス語科卒業生による講演の後、ボジョレ・ヌヴォのグラスを手に取り、懇親会を行うのが恒例のスタイルですが、コロナ禍の中、昨年は開催を断念。本年は、安全を考慮してZoomによるオンライン講演会のみの形式で実施しました。中継基地は、仏友会会員の事務所をお借りしました。
はじめに金澤会長代行(1968)の挨拶があり、次いで和賀副会長(1970)による講師紹介の後、音楽プロデューサーの木崎賢治氏(1969)がスピーカーとなりました。演題は、「好きから始まった僕のプロデュースライフ」。氏は、外語大フランス語科卒としては大変珍しいキャリアの持ち主で、卒業後、(株)渡辺音楽出版で沢田研二、アグネス・チャン、吉川晃司等の楽曲の制作を手掛け、その後独立して音楽出版社の(株)ブリッジを設立。槇原敬之、福山雅治、BUMP OF CHICKEN等数多くのアーチストとヒット曲を次々と生み出しました。氏の著書『プロデュースの基本』は、業界の枠を超えて多くの読者を惹きつけています。
この日も、たくさんの木崎語録が披露されました。たとえば、「世の中に全く新しいものというのは、ない」「世の中にないものを作った人はいない」「新しいものは新しい組合せから作られる」。その例として、鉛筆と消しゴムの組合せが歴史的なヒット商品になったことや、大谷翔平選手の二刀流が挙げられました。また、「胸がキュンと感じたことからヒットの法則を見つける」のがヒットを飛ばすコツだそうです。
約70分間の講演の後、質問タイムでも、Zoom画面の向こうから活発な質問が寄せられました。その後、30人ぐらいの視聴者を、卒業年度順に3つの「ブレークアウトルーム(分室)」に分けて、お互いの顔がスクリーン越しに見える形でおしゃべりタイムを用意しました。初めての試みのため、幹事一同は事前に何度も打合せを行ってきました。多少のハプニングはありましたが、参加後のアンケート結果では大好評を博すことができました。
来年のサロン仏友会の頃には、リアルに対面でワイングラスを傾けられる日が復活することを祈りつつ、互いの健康を念じて散会しました。
投稿者: 中村 日出男 フランス語 1974年卒業