コロナウイルス感染に関してのメルケル首相スピーチの訳文


外語会の皆様

前略

昭和50年ドイツ語科卒業のレナー順子(旧姓 萩原)です。
現在コロナウイルスが世界中で猛威を奮っています。私は40年来ドイツ連邦共和国に住んでおり、ご存知だと思いますが、イタリア、スペインほど酷くはないと言いましても、ドイツでも3月28日までで、感染者数が5万人を超え、死者も約400人になりました。専門家によると、この状態はまだ氷山の一角で、嵐の前の静けさだそうです。1週間ほど前に外出禁止令を含む厳しい規制が発表されました。その少し前の3月18日にメルケル連邦首相が12分にわたり、テレビで国民へスピーチしました。コロナの危険性、なぜ政府がこのような措置をとっているか、個々の国民が何をすべきかを分かりやすく説明した語り掛けでした。コロナウイルスの潜伏期間は2週間だそうで、シャットダウン一週間では、効果の出る時期ではありませんが、メルケル演説内容をほとんどの人が理解でき、その後の政府の頻繁な情報提供により、驚くほどよく規則が守られています。
日本では、まだ対岸の火事ぐらいにしか思っていない人も多いと聞きました。自分はかからないから、大丈夫と思っている人も多いのではないかと思います。その反面今後の成り行きに関しての不安がつのるばかりだと言う意見も聞きました。皆が認識して、責任を持って行動しないと、すぐニューヨークのような状態になりかねません。それを防ぐために、メルケル首相のスピーチ内容を知っていただき、なるべく早く多くの人がコロナの危険性を把握するのが必要だと思います。
日本で最初に電子出版社を起こし、現在でもその業界で励んでいるボイジャー社がメルケル氏演説の私の拙訳を公開しました。無料でスマホでも読みやすいサイズなので、リンクをお送りします。
https://r.binb.jp/epm/e1_138892_24032020095929/

なるべく多くの人にこの演説文を読んでいただければと思います。外語会にはたくさんの同窓生がいらっしゃるので、このお願いを思いつきました。早くコロナウイルスが収束して、平常生活に戻れるのは、皆の望みだと思います。
よろしくお願いいたします。

2020年3月29日

投稿者:レナー順子 (ドイツバイエルン州在住) ドイツ語 1975年卒業

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“コロナウイルス感染に関してのメルケル首相スピーチの訳文” への1件のコメント

  1. レナー順子さま、有難うございました。このように平易な言葉で語り掛ける指導者を持つドイツ国民は幸いですね。早速、家族、友人に紹介しました。

    投稿者:  前田 六生 インド・パキスターン語 1974年卒業