「オペラ・トーク」―フランス・オペラ 『ぺレアスとメリザンド』―

この度、フランス人ドビュッシーの唯一のオペラ 『ぺレアスとメリザンド』 が7月に新国立劇場オペラ・パレスで上演され、それに先立ち、「オペラ・トーク」のライブ配信が行われました。(2022年6月25日)

新国立劇場オペラ芸術監督大野和士氏が自ら指揮を務めた、日本でのフランス語による貴重なオペラ上演は、オペラ・ファンにとっては大変意義のある、興味深いイベントになりました。因みにオペラとは、イタリア語で「作品」の意味とのことです。

このオペラ・トークは大野和士氏が司会進行を務め、本学出身の村山則子氏(F1968/昭43) と川竹英克氏(F1977/昭52) ご夫妻(奥様はフランス人のジョジアーヌ・ピノン氏)が招待・参加されています。

トークの進展に応じて、アンチ・ワグネリアンになったドビュッシーが、フランス語によるフランス音楽的なオペラを目指し、当時のフランス象徴主義演劇を代表するメーテルランクの戯曲をいかにオペラ化したか、その歴史的文化的背景を説明。続いて歌手の方たちが各場をピアノ伴奏で演奏し、オペラの中に表される水、洞窟、薔薇、長い髪などの象徴について各氏が解釈、意見を適宜加えて行くものです。イタリアやドイツのオペラとの対比や音楽性についての話も聞けて、全くの素人・門外漢の私にとっても大変興味深く、オペラ理解の参考になりました。

このオペラ・トークは新国立劇場の「You Tube」アーカイブ配信で見ることが出来ます。

URLはhttps://youtu.be/i06pWrV1WfIです。

三氏のプロフィルを簡記し、村山氏の関連著作も一部画像で紹介します。

〇大野和士氏 新国立劇場オペラ芸術監督、指揮者
東京藝術大学音楽学部卒。1987年トスカニーニ国際指揮者コンクール優勝。バーデン州立歌劇場音楽総監督、ベルギー王立歌劇場音楽監督、リヨン歌劇場首席指揮者などを歴任。
現在、東京都交響楽団音楽監督、バルセロナ交響楽団音楽監督、東京フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者も務める。
2017年フランス芸術文化勲章「オフィシエ」、2010年文化功労者など受賞多数。
2022年9月、ブリュッセル・フィルハーモニック音楽監督に就任予定。

〇村山則子氏   音楽評論、また村山りおんとして詩人・作家
東京外国語大学フランス語科1968年卒、東京藝術大学大学院音楽研究科博士課程修了。
『石の花冠』で第5回小島信夫文学賞受賞。研究書、詩、小説の著書多数。 絵画の個展も開催。
東京外語会「会報便り」ご参照。
*『雲井の余所』村山りおん著 2021.2.2
*『ラモー 芸術家にして哲学者』 講演会 2018.8.20

〇川竹英克氏   フランス文学者 明治大学名誉教授
東京外国語大学フランス語科1977年卒、同大学院修士課程修了。
パリ第三大学修士課程修了。専門は20世紀フランス文学。
NHKラジオ第二放送帯番組「まいにちフランス語」で、メーテルランク原作ドビュッシーのオペラ 『ペレアスとメリザンド』 の台本を半年間かけて丸ごとテキストとして使用。
仏友会会報誌LA NOUVELLE No.28 に掲載記事「フランス人は合理的か」
(2022年4月1日号)

投稿者:金澤脩介  フランス語1968年卒業

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ブラジルで最も権威ある文学賞ジャブチ賞受賞作の初邦訳

これは私が翻訳、今年2月に文芸社より上梓した「大使閣下」の帯の文言です。作者エリコ・ヴェリッシモは、20世紀ブラジル文学界を代表する世界的文豪でその作品は、国境を越え世界中で愛読されていますが、本書出版の編集者ですら彼の名前は初耳とのことで、日本ではほとんど知られていません。

サマーセット・モームの様なストーリーテラーの彼の作品は、読者を惹きつけ、文学、美術、音楽、哲学、歴史、政治と多岐に亘る彼の博識は、その作品に幅と深みを加え、更に作品の底流には常にヒューマンな眼差しがあります。本書が、日本の読者に彼の作品の面白さ、迫力、魅力を伝える一助になれば幸いです。

またエリコ・ヴェリッシモの魅力的作品群は、短編小説、長編小説、児童文学、紀行文、エッセイと多義にわたり将に宝の山ですが、そのほとんどは日本に紹介されておらず、本書を機に更なる作品の翻訳に挑戦される方が現れればと願っています。

東京外国語大学付属図書館に寄贈させて頂きました。

書名:大使閣下
著者:エリコ・ヴェリッシモ
訳者:澤木忠男
出版社:文芸社
定価:本体2,100円+税

投稿者:澤木 忠男 ポルトガル語 1963年卒業

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