新刊紹介『カフカエスクを超えてーカフカの小篇を読む』


 

前著(『ことばへの気づきーカフカの小篇を読む』春風社、2021年)に引き続き、小篇を20ほど読みながら、周りの世界を眺めてみました。その際、カフカエスク(不条理な、理不尽な)という概念だけで全ての作品を読み解くことは困難であると考え、カフカがノートや日記に文章を記すとき、どのような切り口で創作に臨んだかについて、以下3つの視座を設けてみました。

(1)現実と非現実の境を行き交う
(2)脇に身を置いて眺める
(3)終わらないように終わる

今回読んだ小篇は・・
(第一部)「商人」「天井桟敷にて」「隣人」「夜に」「雑種」「家父の心配」
(第二部)「小さな寓話」「根気だめしのおもちゃ」「もどり道」「乗客」
「はげたか」「ポセイドン」「セイレーンたちの沈黙」
(第三部)「こま」「皇帝の使者」「出発」「新しいランプ」「中庭の門をたたく」
「掟の門」

アカデミックな論文ではなく、よしなしごとを綴ったエッセイ集です。外語会プラザのアラムナイ文庫に寄贈させていただきました。前著とともに、ご一読いただけたら幸いです。

書名:『カフカエスクを超えてーカフカの小篇を読む』
著者:松原好次
出版社:春風社
出版日:2023年4月28日
定価:3100円+税
ISBN:978-4-86110-846-4

投稿者: 松原好次 ドイツ語1972年卒業

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