ブラジルで最も権威ある文学賞ジャブチ賞受賞作の初邦訳


これは私が翻訳、今年2月に文芸社より上梓した「大使閣下」の帯の文言です。作者エリコ・ヴェリッシモは、20世紀ブラジル文学界を代表する世界的文豪でその作品は、国境を越え世界中で愛読されていますが、本書出版の編集者ですら彼の名前は初耳とのことで、日本ではほとんど知られていません。

サマーセット・モームの様なストーリーテラーの彼の作品は、読者を惹きつけ、文学、美術、音楽、哲学、歴史、政治と多岐に亘る彼の博識は、その作品に幅と深みを加え、更に作品の底流には常にヒューマンな眼差しがあります。本書が、日本の読者に彼の作品の面白さ、迫力、魅力を伝える一助になれば幸いです。

またエリコ・ヴェリッシモの魅力的作品群は、短編小説、長編小説、児童文学、紀行文、エッセイと多義にわたり将に宝の山ですが、そのほとんどは日本に紹介されておらず、本書を機に更なる作品の翻訳に挑戦される方が現れればと願っています。

東京外国語大学付属図書館に寄贈させて頂きました。

書名:大使閣下
著者:エリコ・ヴェリッシモ
訳者:澤木忠男
出版社:文芸社
定価:本体2,100円+税

投稿者:澤木 忠男 ポルトガル語 1963年卒業

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