S1984年生、入学30周年を祝う


1984年スペイン科

2014年は、私たち1984年入学生にとっては、大学入学30年の節目の年だ。在学時から何かと賑やかだったスペイン語学科(当時の呼称)の仲間のうち何人かは、卒業後もかなりの頻度で顔を合わせてはいたが、さすがに節目の年には、いつものメンバーだけではなく、机を並べた同期全員に声をかけ、大々的に祝おうではないかとの発案がなされ、実現した。2014年9月6日(土)、池袋のレストランのパーティールームを貸し切り、東京外国語大学外国語学部スペイン語学科1984年入学生入学30周年記念会が開催された。
友人関係を辿り、部活動・サークルの仲間に訊ね、当時作ったガリ版刷りの名簿を引っ張り出し、場合によっては実家に連絡し、インターネット検索をかけ、可能な限りのメンバーに声をかけた。当日集まったのは32 名。二次会から参加の者がひとりいたので、33 名ということになる。30年前、実際に入学式に現れたのが69名、うちひとりは卒業後すぐに亡くなったので、68名中の33 名だ。この数字が大きいのか小さいのかはわからない。ともかく、家庭の事情で初年度前期で退学した者や、4年で留学に出たきり卒業しなかった者も出席したことは慶賀すべき。
イタリアやスイス、コロンビア、アメリカ合衆国、オーストラリア、中国にいて参加できなかった者はしかたがない。けれども、カラチ 、ニューヨーク、メキシコ市からわざわざ駆けつけた者もいて嬉しかった。加えて、当時10名を数えた学科の専任の先生方のうち、エンリケ・コントレーラス、寺崎英樹、清水透の3先生にもご列席をたまわった。御大・原誠先生はのっぴきならない事情で 拝顔できずじまいではあったものの、幹事への詫び状が読みあげられた。手紙だけでも(だからこそ?)充分な存在感であった。
最初に現れた女性3人組を前に私(柳原)が言葉を探していると、すかさずそのうちのひとりがぱしっと肩を叩き、「名前、忘れたんでしょう」と笑う。そうそう、彼女はこうした仕草がキュートな人であったと、たちどころに記憶がよみがえる。私たちを隔てた26年の時間(卒業後ということ)が背後にしりぞく。同窓会とは、実にそうしたものだ。肩への一撃で過去を取り戻す瞬間の喜びだ。その日は40?ばかりのパーティールームのあちこちで、肩への一撃が、それに類するさまざまな仕草が繰り広げられていた。
その日やむをえず欠席したある人の近況を、しばらく経ってから仕事をともにした友人が皆に教えてくれた。9月の集まりを機に私たちは、ところどころで新たな関係の網の目を築き始めたようだ。

投稿者: 柳原 孝敦  スペイン語 1989年卒業

 

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