『北区西ヶ原 留学! できますか?』


澤井繁男著『北区西ヶ原 留学! できますか?』(未知谷、7月7日刊行、2400円+税)

1970年代の青春群像。
あの頃、あの場所。「〔男〕の幻想と〔女〕の期待」が交差する青春小説。
インドネシア語科に集う男女学生の目的と恋愛感情(第Ⅰ部)。
チェコ語科に学ぶ、クラシック好きの青年の日常(第Ⅱ部)。
就職率抜群の外大ブランドの神話の内実と弱小語科の悲哀を活写。作品は円環して終わります。

投稿者: 澤井繁男 イタリア語 1979年卒業

本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで
(会員よりご感想をいただきました。)

,

“『北区西ヶ原 留学! できますか?』” への1件のコメント

  1. 昨年10月、地元の書店で本書を見つけ、そのタイトルを見て思わず懐かしさを覚え手に取りました。そして、裏表紙の解説と著者の略歴を拝見し即決で購入しましたが、購入したことをすっかり忘れてしまい、つい最近1年振りで読みました。

    内容は地名といい、風景といい、空気感といい、それぞれの描写が私には大変身近に感じられるとともに、どの箇所にも懐かしさ満載で大いに楽しませていただきました。
    1970年代のある時期がありありと脳裏によみがえってきました。当時私も、京浜東北の王子駅を利用することが多く、飛鳥山を越えて大学まで歩きましたので、大抵は私も裏門から大学に入ったものでした。時には都電を利用し西ヶ原4丁目で降りたり、巣鴨駅を降りて染井霊園を通ったりして通学したこともありました。今から考えると、登場人物も当時の私自身も大分幼かったのだなぁと思いました。その代り、若者特有の何かキラキラしたものを持っていたような気がします。それは時代背景も影響していたのかもしれません。ともかく本書により、我が青春の一時期を思い出させてくれるものでした。固有名詞の言い換えには思わず微笑みましたが、当時を知る者には容易に言い換え前の名称を想像できるものでした。購入の際にはちょっと高いかなぁと思いましたが、読み終えてみますと、決して高いとは思いませんでした。敢えて難点を挙げさせていただくとしますと、第1部ではオランダ関連の歴史に関する記述と第2部ではクラシック音楽談義でした。私の知識ではついて行くことが難しい部分でした。とはいえ、我が青春の懐かしき日々を思い起こさせてくれた本書に改めて感謝申し上げます。

    投稿者: 金子 清  ドイツ語 1977年卒業

admin へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です