去る2017年11月11日(土)、久しぶりの秋晴れとなったミラノで、東外大イタリア支部総会が開かれました。昨年の好評を受け、今年もミラノ中央駅近くの老舗和食レストラン「友よし遠藤」を会場とし、総勢16名が集まりました。
今回はイタリア語科で長年教鞭をとられたマリーザ・ディ・ルッソ先生がペスカーラからお越しくださった上、ローマから4名、ボローニャ、フィレンツェ、トスカーナ州マッサからそれぞれ1名、さらにはマリーザ先生のご紹介でちょうど日本からご旅行中だった同窓の藤井さんにも参加いただき、ミラノ在住者が多勢を占めるいつもの総会とは違う、にぎやかな会になりました。また、5名の会員が初参加で、イタリアの地で同窓の輪が広がっていくことを嬉しく思いました。
参加者は、Marisa di Russo先生、大島悦子(外I 1974)、松山二郎(外 I 1975)、藤井早百合(外 I 1980)、藤沼緑(外 I 1980)、小林敏明(外 I 1984)、小林一美(外 C 1985)、今野里美(外 I 1990)、丸山圭子(外 I 1991)、林香織里(外 I 1992)、古川澄子(外 I 1994)、山﨑真理子(外 I 1994)、工藤尚美(外 I 1996)、吉村祐子(外 I 1998)、石田美緒(外 I 2001)、井口香春(外 Ur 2002)(卒業年度順、敬称略)
総会は、大島支部長の挨拶の後、代表幹事の松山氏による新会員の紹介そして乾杯へと進み、食事タイムです。16名全員が顔を合わせられるようにくっつけられたテーブルに運ばれてくるのは、煮物、天ぷら、すき焼き鍋などなど。そんな家庭的和食メニューとワイン(松山氏ご提供)を楽しみながら、それぞれの自己紹介や近況報告が行われました。いちおう定められた「一人三分」という制限時間をオーバーして話題が脱線することもたびたびで、西ヶ原の「木造校舎」の話から、便利な酵母入り製パン粉の話、新米ママさんの子育てアイデア、現在の外語生はお洒落になっている(!?)・・など、にぎやかに話の花が咲きました。また、江戸時代の最後の伊人宣教師シドッティに関する本をイタリア語に翻訳された古川さんからはその本の紹介もありました(東京で彼の遺骨が発掘されたそうです)。
残念ながら今回欠席だった会員の方々からも近況報告メールが届きました。ボローニャ大学で30年以上日本語教育に携われた竹下利明先生(外 I 1963)からは最近出版されたご自身の論文集『La lingua giapponese nell’universita’ italianaイタリアの大学における日本語』も届き、出席者にお見せすることができました。
そして、最後に今回の特別ゲストであるマリーザ先生にお話しいただきました。先生は、長い間、「天正少年使節」を立案したイエズス会宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの研究をなさっており、10年の歳月をかけて監修された本が今春出版となったのです(Alessandro Valignano / Dialogo sulla missione degli ambasciatori giapponesi alla curia romana e sulle cose osservate in Europa e durante tutto il viaggio)。イタリア主要紙でも紹介されたこの本では、日本での布教に際してお互いを理解する必要性を強く説き、対話を重視したヴァリニャーノの姿が浮き彫りにされています。「相手を知ること」、それは異文化・多民族共存が問題となっている現代に通じる姿勢であり、また自分自身を豊かにしてくれるものだと、マリーザ先生は説明してくださいました。日本とイタリア二つの国にまたがって生活している私たちにとって忘れてはならないことでしょう。
お昼の12時から始まった総会も、気がつくと散会時間の3時。名残惜しい私たちは、お子さんを迎えに行かなければならない一人を除き全員が隣の喫茶店へと移動し、もうひとときおしゃべりの時間を楽しみました。
今回の総会は初めてミラノ以外からの参加者が多数を占めたこともあり、来年は別の町で開催するというアイデアも出てきました。いずれにせよ、これからも同窓の仲間が増え、さらに楽しい会となるよう願っております。
投稿者:丸山圭子 イタリア語科 1991年卒業