最近配信されたメルマガ(外語会126号)によると、2017年9月14日、東京外国語大学はウクライナで最も歴史のあるイヴァン・フランコ記念リヴィウ大学(以下リヴィウ大学と称す)にGlobal Japan Office (GLO) を設置し、その開所式が行われたという。本開所式は日本とウクライナの国交樹立25周年記念事業の一環として、日本国大使館の認定のもとに実施された。仄聞するに、ここまでに漕ぎ着けるには、東京外国語大学名誉教授中澤英彦氏とリヴィウ大学の日本語講座主任のオレスタ・ザブランナ准教授両氏の地道なご努力が礎となったという。
私はこの夏3週間にわたってリヴィウ大学の夏季語学・歴史・文化講座(初めて開講したのは1996年)に参加した。私を除けば、参加者の殆どが学生で、若干社会人も休暇をとって参加した者もいる。シニアにとっては短期留学とはいえ、海外での留学生活は何かと不便さを伴い、実のところ体力が続くだろうかという一抹の不安も脳裏をよぎったが、妻とウクライナのリヴィウに住む、現在リヴィウ大学の博士課程在籍中のOleh Voitkiv 君が、逡巡している小生の背中をポーンと押してくれたおかげである。今回のSummer schoolでも彼はCoordinatorの有力なメンバーの一人として、School director のLesya Antoniv さんを陰に陽に支えてきた。彼のきめ細やかな配慮がなければ、果たして3週間無事に過ごせたかどうかわからない。
個人的なことになるが、Oleh 君とは2011年ポーランドのシロンスク大学の夏季語学・文化・歴史講座で知り合い、それ以来ポーランド語でメールのやりとりをしてきた。彼は昨年3月中旬に来日し、8日ほど拙宅にホームステイして行った。ウクライナ人が訪日するにはヴィザが必要とのことで、彼の身元保証人になり、こちらから私の居住・収入証明書などを送付しなければならなかった。日本人がウクライナに観光旅行や短期の語学研修などには特別なヴィザは不要で、どういう訳か国家間の外交関係が互恵でないことをその時初めて知った。
投稿者: 小沼 利英 ロシア語 1968年卒業