訳者:鈴木光子(1961年/昭和36年仏語科卒)
元スイス政府観光局次長
著者:エティエンヌ・バリリエ
原題:『Ruiz doit mourir』
単行本:(ハードカバー) 292ページ
出版社:アルファベータブックス
ISBN: 978-4-86598-7 C0070
定価 :2000円+税
アンチ・ピカソを標榜する英国人画家、J.W.ゴッドワード(1861-1922)の日記の形で、本文中に一度もピカソという呼び名を登場させず、その本名であるパブロ・ルイス(ピカソは母方の名)で全編を貫くノンフィクション・ノベル。同時代の歴史的事実や人物を絡めて背景を形成する手法は、小説とは呼びがたい緊迫感がある。ルイスとの対決を求めつつも、彼の能力に心身共に追い詰められていく主人公ゴッドワードを描く。
表紙の美しい女性像は、J.W.Godwardの作品『ヴァイオレッツ・スイート・ヴァイオレッツ』。
また同じ著者と訳者に、実在の女性ピアニスト、ユジャ・ワンを巡って2人の音楽評論家がメール上で激論を戦わせる『ピアニスト』(2013年アルファベータ社)がある。
投稿者: 鈴木 光子 フランス語 1961年卒業