ペルシア語学科・ペルシア語専攻の同窓生を会員とする「ペルシア会」(代表:植木聡、ペルシア語1984年卒)の第4回総会が12月5日、東京・新宿のフレンチバル&レストラン「ジェイズ」で開かれた。イラン核問題の国際合意により、研究やビジネス環境の改善が期待される中、卒業生から現役学生まで72人が集まる盛会となり、親交を深めた。
来賓として、長年学科運営にかかわり学生を温かく指導してこられた藤井守男大学院総合国際学研究院教授(ウルドゥー語1977年卒)をお迎えした。学科創設時の苦労話を交えたご挨拶をいただき、教授の乾杯のご発声により開宴した。
総会は2011年以来、4年ぶり。同期生や先輩後輩が再会を祝い、新たな交流も生まれた。1期生がまだ50代前半と若く、同窓生はみな仕事や家庭で奮闘中。マイクを手にひとりひとり自己紹介をした現役生にとっては、就活相談の好機ともなった。
会の目玉は、25年にわたるイランでのフィールドワークに基づき『「個人主義」大国イラン: 群れない社会の社交的なひとびと』(平凡社新書)を今秋出版したアジア経済研究所の岩崎葉子氏(ペルシア語1989年卒)の講演。
岩崎氏は「イランに日本的な意味の『組織』は存在せず、担当者が異動すれば話は振り出しに戻る。人脈を多角化してリスク分散を図ることが重要」と説いた。鮮やかな分析に、イランでの苦労体験を共有する参加者から納得の声が聞かれた。
今回ご欠席の恩師、岡田恵美子先生からの味わい深いペルシア語のことわざを交えたメッセージが読み上げられると、西ケ原の小教室で受けた講義の記憶がよみがえるようだった。今春退官された八尾師誠先生からも「1978年以来、60回目のイラン訪問中です」とのエネルギッシュなメッセージが届いた。
あっという間の2時間を切り盛りしたのは梨本博氏(ペルシア語1989年卒)の軽妙な司会。商社で活躍中だが、コミュニケーション能力を培ったのは放送委員を務めた長野の小学校時代だったという。こんなエピソードを知る楽しみも、同窓会ならではである。
今回の総会では、大学で教務補佐を務め、ペルシア語の卒業生・現役生に広く知られる瀧田(永野)真奈美氏(ペルシア語1990年卒)が会計、BGM、備品を担当。ペルシア会はこうした縁の下の力持ちに支えられている。
司会から「次回総会は3年後」と伝えられると「待ち遠しい。毎年開催しても良い」との声も聞かれた。
投稿者 : 長谷川健司 ペルシア語1985年卒業