昭和36年卒英米科A組クラス旅行


外語、田沢湖ロッジs1 秋田駒が岳S4 (1)

昭和36年卒英米科A組クラス会では、首都圏在住の会員を中心に、小林敏昭幹事長の音頭で、毎年5月の遠足と12月の忘年会で親睦を深めてきた。昨年秋田在住の幸野稔会員がしばらくぶりに忘年会に参加したのが運のつきで、2015年の遠足は秋田まで足を伸ばすことが決まり、幸野が現地幹事として企画の任に当たることとなった。

幸野の忘年会参加は別にして、今年5月の旅行先を秋田に決めたことには二つの目的があった。一つは、秋田県田沢湖高原に建てられた母校の研修施設「TUFS田沢湖温泉ロッジ」に東京外語会員は準学内者料金で泊まれることから、せっかくの施設を活用しようということだった。もう一つは、われらが畏友の藤田博司会員が、昨年10月に秋田駒ヶ岳登山後体調が急変して、岩手県八幡平市の病院で死去したことであった。ジャーナリズム研究者で上智大学教授や共同通信ワシントン支局長などを務めた藤田会員の急逝はまことに痛ましいことであり、せめてわれわれ同級生が現地に赴いて慰霊しようということになったのである。

クラス旅行は5月28日(木)~29日(金)に行なわれた。両日とも幸い好天に恵まれ、一行10人は心ゆくまで新緑の田沢湖と角館を楽しんだ。初日、田沢湖遊覧船から金色の辰子像を湖岸に望み、他方では奥羽の山並みを五月晴れの大空に見晴らした。また、観光バスで向かった田沢湖スキー場では、頂上に雪の残る秋田駒の雄姿を仰ぎ、一同拝礼して、この地で幽明界を異にすることとなった藤田会員の冥福を祈ったのである。

宿泊先のロッジには、10年以上前に、幸野の勤務していた秋田大学のゼミの学生を引率してお世話になったことがあったが、その後改装された建物はいっそう明るく泊り心地が良くなった。きりたんぽ、山菜、岩魚など、地元の食材を活かした郷土料理をいただき、会員が持ち寄ったお酒、ワイン、ビール、焼酎などを酌み交わして、卒業後歩んできた道や現況報告、藤田会員の思い出などを語り合った。

二日目、お世話になった管理人ご夫妻に別れを告げて、観光バスは「みちのくの小京都」と呼ばれる角館に向かった。武家屋敷を見学して、角館町平福記念美術館に立寄った時、ロッジから忘れ物の連絡電話があった。わざわざ美術館まで届けてくださった管理人ご夫妻のご厚意にいたく感銘を受けたのであった。

今回の旅行では好天という僥倖に恵まれ、外語ロッジの活用と故藤田会員の慰霊という二つの目的を無事に果たして、旧交を深めることができた。まことにうれしいことであった。まとめ役の小林幹事長、会計等担当の野中千恵子幹事、ならびに参加者各位のご協力に感謝し、会員各位のご健勝を祈る次第である。

投稿者 : 幸野 稔 英語 1961/昭36年卒業

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