アルコールパスポート ~ 外語祭のアルコール販売への取り組み


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「パスポートいらずのワールドツアー」。これは先日行われた第90回外語祭のテーマですが、この言葉どおり、外語祭は世界中の文化を楽しめる国際的な学園祭です。もちろんお酒も例外ではなく、外語祭では毎年文化紹介の一つとしてアルコールが販売されており「世界中のお酒が楽しめる」と大変な人気を集めています。今年も、料理店や模擬店など全部で40団体がアルコールを販売しました。

一方で、学園祭でのアルコール販売については反対の声も多く聞かれます。外語祭でも、かつては酩酊者のために救急車を呼ぶといった事態が起こっていました。また、東京大学の駒場祭、一橋大学の一橋祭など、アルコールに関するトラブルから学校側の意向によりアルコールの販売が禁止となった学園祭も少なくありません。

こうした「禁酒」の流れの中で、外語祭の特色である文化紹介としてのアルコール販売をどうすれば守っていけるのか。外語祭実行委員会では学園祭でアルコールを販売することの責任を重く受け止め、さまざまな対策を行ってきました。

その一つが「アルコールパスポート」、通称「アルパス」です。20歳以上であることを確認したうえでアルパスを配布し、アルコール1品購入ごとに貼られるシールが8枚までたまったらそれ以上アルコールを購入できなくなる仕組みです。第86回外語祭から始まり、以来5年間、大きな飲酒事故のない安全な外語祭に貢献してきました。

毎年外語祭でお酒を楽しんでいる方は、今年のアルパスが去年までとはかなり変わったことに驚かれたかもしれません。去年までただのA5サイズ のコピー用紙だったアルパスが、今年は「携帯しやすく」を目指して、首から下げられるひも付きの小さなカードになったのです。外語祭の半年以上前から、アンケートをもとに何度も話し合いを重ね、たくさんの人の協力で今年の「新生アルパス」が誕生しました。しかし、アルパスをすべて手作業で作るのは簡単ではありません。11月の外語祭に向けて、9月から実行委員全員で作り始めましたが、外語祭期間中に足りなくなり深夜に翌日分を慌てて作ったこともありました。しかしその甲斐あって今年は例年を大きく上回る、およそ1万枚のアルパスを配布することができました。

アルパスなどアルコールに関しての対策を行っていると、自分は自由で楽しい学園祭に水を差しているのではないかと感じることも多々ありました。しかし私は、外語祭は来場した誰もが気持ちよく楽しめる学園祭であるべきだと思うし、そうあるために常に努力をする外語祭に誇りを持っています。

「他の学園祭は適当だけど、外語祭はちゃんとしてて好きだなあ。」

アルパスを配布している際に来場者の方のこの言葉を聞いたとき、アルパスも確かに「誰もが気持ちよく楽しめる」外語祭の力になれているのかもしれないと、とても誇らしく思ったことを覚えています。

文化紹介の一環としてのアルコール販売は外語祭の素晴らしい伝統の一つであり、多くの来場者や外大生自身の楽しみの一つでもあります。この伝統を続けていくことは容易ではありませんが、来年以降も外語祭でたくさんの人に世界中のお酒を楽しんでもらえること、そしてアルパスが少しでもその助けとなることを願っています。

 

第90回外語祭実行委員会事務局 アルコール担当 木曽 千尋

外語祭「アルパス」ホームページ

http://gaigosai.com/alcoholpass/