「外大9条の会」、年次総会/記念講演は前川喜平さんで


「東京外語大・九条の会」の年次総会は今年も例年通り、大会議室で開かれました。年次総会そのものは会員の出足が悪く、前川さんの講演会の入りが危ぶまれましたが、いざ蓋を開けると、昨年の保阪正康さんの講演会には及びませんでしたが、それでも用意したレジュメは全て配布し尽くされ、数人の参加者からはレジュメを後送して欲しいとのリクエストが出されたくらいでした。

ただ、主催者側としては、レジュメの場合には参加者数の事前把握が極めて困難であるため作成部数を適度に確保することが難しいこともあり、できれば避けたいところです。しかし、今年は事前の電源装置の確認にも拘らず、プロジェクターが全く作動しなかったというアクシデントが発生。けれども、パワーポイント使用でなくレジュメ配布という「怪我の功名」的な方式により、結果的にはつつがなく進行出来ました。

前川さんは、今は国家主義の政策が前面に出ているが、これに対置するのは「人間」であり、憲法ではその人間が大事だとされている、との認識です。そして、元文科省の事務次官を務めたという経歴からも、日本の若者は自己肯定感が低い、ということを憂えています。そして、この背景にあるのは新自由主義と権威主義だと喝破しています。すなわち友情・愛情・正義感等お金では測れない価値があるのに、弱肉強食の競争が是とされ、助け合いの精神がないがしろにされている、教育も学術も競争が重んじられているが競争は必然的に大量の敗者を生み出し彼らの自己肯定感を奪っているのだとしています。そして、現政権への高い支持率の背景にはフィルターバブル、エコーチェンバーなど様々な問題点があり、これを打開する有力な方策が「本を読む習慣の涵養」だとしています。

講演会終了後はアゴラホールで前川さんを入れた懇親会が開かれ、前川さんには最後までお付き合いいただきました。1960年代から2000年代に至る卒業生主体の懇親会でしたが、世代を超えて参加者がそれぞれの近況を語り合う中で、和やかに年次総会は幕を閉じました。

非会員の参加者には「受付票」を記していただいていますが、「講演会を知った媒体」の設問に、「友人・知人」以外に『東京外語会メールマガジン』を挙げた本学の卒業生が10人近くいたことも申し添えておきます。

*ご希望の方には前川さんの講演のレジュメ、講演要旨(いずれもPDFファイル)をお送りしますので、その旨お知らせ下さい。(連絡先: tufs_peace9@yahoo.co.jp)

投稿者 : 鈴木 俊明 スペイン語1972年卒業

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