令和の米騒動から、2025年新嘗祭(アオウミガメと上溝桜の共演) を眺める


新嘗祭(天皇が新穀を神に供え自らも食す),以前は11月の下卯の日(2回目の卯の日)に行われてきた、今年なら11月25日にあたるようだ。
夕方6時過ぎからと深夜零時過ぎの2回。ありがとうございます。
明治以降は、これが下兎の日から、11月23日に変更(固定)された。新嘗祭に使われる新穀(新米)を、育てる勤労に感謝する勤労感謝の日となり収まったわけかな。
さてこの神事の新穀(新米)は日本列島の何処から献上されるのか、天皇にお仕えする神官たちは、斎田点定(聖なる田を特定する儀式)を行うとのこと。それには、昔から言われる亀卜。
東京から1000kmも離れた世界遺産の小笠原諸島。
アオウミガメの宝庫。眞か生きたアオウミガメを殺すわけにはいかぬ。
島で死んで浜に打ち上げられた亀甲を探し、その甲羅を使っていますとのこと
(はあ、安堵したな)。
さて亀卜のほうは小さく駒形に刻まれた甲羅を燃える火でいぶしてひび割れを見る儀式。その燃やす木材、それも聖なる木材でしょうね、それは何処から。これもしきたりがあるらしい。
ウワミズザクラという甲羅上にヒビ(溝)が現れるからか、うまいことを仰る。全国の山間に自生する木らしい。
上溝桜の木を燃して、甲羅のひび割れを見て何処の地方
→東にある田か、
西にある田なのか?
新米を産する聖なる田を特定する、なんとも重々しいことよ。
2025年は、どこの地方の田からおいでになるのか?
神道の専門家のご説明を聞くと、新穀を奉る地方を 悠紀(ユキ)国と 主基(スキ)国と言う。現在では新潟、長野、静岡を結ぶ線で、国内を東西に二分して、その三県を含む東側を「悠紀(ユキ)の地方」、それより西側を「主基(スキ)の地方」と定め、亀卜により、聖なる田を有すとされる都道府県が卜定されます。知らなかった。
ヤマトのうまいお米からは、正直どの国・地域でもいいやん。決め方(ひび割れの読み方)は秘儀の様で明らかでない。その後、卜定結果を宮内庁長官が天皇陛下に上奏して御裁可を仰ぎ、悠紀・主基両地方の勅定が下る。
このようにして定められた悠紀・主基両斎田では、祓式の後、御鍬入れ式、播種式等が行われ、六月頃に御田植式、以降十月まで、新穀を農耕儀礼を斎行、丹精をこめて稲作奉仕。

長い期間を要するも、国民の「食安全確保祈念」というなら致し方あるまい。江戸時代までは、天皇が京都に居られたためか、ユキ田・スキ田ともに西日本に集中していたとのこと。明治に入り東京に移った明治天皇により、東日本に斎田指名という大変化が起きた由。
なるほどなあ。これも明治革命の一つか。
その時(天皇即位後初だから、大嘗祭)は、ユキ田が甲斐国(山梨県巨摩郡)、スキ田が安房国鴨川(千葉県長狭)地区に決まったということです。後者に関連、長狭学園校歌には、斉田跡の事が触れられており、誠に誉なことなんでしょう。
両田共に東日本にしたのでは、プライド高い京都あたりからクレームはなかったのかしらん。いつだったか、ユキ田が栃木県、スキ田が京都府に決定とのニュースに接した記憶あり。
こちらは、ちゃんと東西に分かれていますよ。
皇族の方々は、11月23日の夕方から深夜までお待ちになり
新嘗祭を無事終了した旨の知らせを受けて初めて、今年の新米を頂くそうな
(彬子女王殿下の説明)
我々、平民の方が早く新米を頂戴しているのじゃないか。
申し訳ない。
天武持統時代には、すでにこの儀式は成立という、1300年以上前から伝わる伝統と言われれば、是非とも残しておきましょうよ。
支払いが公費だ、皇室予算からなんてもめる必要も、ないっしょ。
出所は国民の血税に変わらない。

小笠原からのアオウミガメの甲羅をいぶす上溝桜は、古くは「ハハカ(波波迦)」と呼ばれ、古代、「亀甲占い」に用いられた歴史にあるとか。ハハカの木を朝廷に献上する民が、小さな集団をつくって暮らしていたことから「ハハカベ」と呼ばれ、それが転訛して「波々伯部」となったという。
兵庫県丹波篠山市波々伯部(宮ノ前)の波々伯部神社の本殿脇に生えるウワミズザクラが代表格なのかな。
ウワミズザクラの提供は、この丹波の国のほか奈良生駒山中、生駒神社に御神木として、新嘗祭にご奉仕される、ウワミズザクラがありますとのこと。
一度訪問しなくちゃ。
2025米騒動は、米蔵管理のお役人(お代官)たちの長年にわたる間違った政策が大きいのでは。我々村人は、よく勉強して自分たちの食の安全確保位自分で決めたい。
国民の代理人である政治家、そして農林水産大臣殿には、くれぐれも国民のための農政をお願いしたい。減反・減反と言って前例踏襲しか頭にないお役人根性丸出し、何も考えない人たちにヤマト国の新穀の行方を任すわけにはいくまい。
お米を守る国益上、輸出米に補助金など、トーーンと的外れ
インバウンド原因説も本質ではない、日本国民が30年前(米価5Kg 4千円が、あたりまえの社会)並みの現米価に耐えられないほど貧しくなっている、
国民経済の疲弊、「民の竈から煙は立たず」の現状にある。
この現実を直視しないことは許されない。与野党の共同責任ですぞ。
頼みますぞ、「奈良女」宰相のサナエさん、朝3時からお仕事、お体くれぐれも労ってくだされ。新農林水産大臣の鈴木さん、聞けば大臣は、農林省お役人から副大臣、大臣と駆け上がった農林実務の専門家。
役所内情に精通もし、今は役人ではなく国民の代理人、政治家なんですから、役所横暴をコントロール可能と国民のひとりとして考えます。
前任者と違い、「もちは餅屋で」と期待し、10年後、20年後の農家のありよう(安定供給体制、必要なら補助金)を見据えているとおっしゃる方というからには、「農は国の礎」の実現を期待しておりますぞ。ハイ。

投稿者:佐々木 洋 英語1973年卒業

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