それぞれの「老いるショック」があっていい


カタログハウス社から出ている「通販生活」(読者層は40歳台から60歳台の主婦層らしい)で、みうらじゅん氏が、「老いるショック」認定委員会なるものを主催、認定する企画があると知った。
オイルショックと聞けば、経済人・ビジネスマン世界では1970年代の2度の石油ショック、アラブ世界のことがすぐ頭に浮かぶが、言葉使い論として誠に面白い表現だ。
私にとっては、シニア医療の専門家のお一人、ドクター鎌田(鎌田實さん)がご自分の60代、70歳の頃に身体の異常に気付いてネーミングしたのが最初ではないかと思っている。なかなかうまい表現と私自身も時々拝借して使用している。
みうらじゅん氏の場合、還暦過ぎに初めて「老いるショック」を使い始め、40代から60代の主婦層に的を絞り、それぞれの「老い」を意識した現象や身体変調などを面白おかしく取り上げ、「老い度」を認定しようという遊び心からの命名だろうと想像する。
さて健康長寿国となった日本の場合は如何か。
健康維持、運動習慣といえば喜劇役者の大村崑氏の例。85歳から筋トレ開始し93歳の現在も「スクワットの崑ちゃん」として全国飛び歩き健康長寿の伝道師として大活躍。NHK大相撲の中継画面にその元気な姿を現し世のシニア達を喜ばせている。
食生活では98歳になるTVドラマプロデューサーの石井ふく子さん(幼馴染の俳優中村雅俊君のドラマ制作監督)。肉食習慣をうまく取り入れ現役監督を続け百寿(100歳)の山登りを継続されておられる姿が浮かぶ。みうら氏の場合、還暦(山登りでいえば6合目あたり)レベルで、「老い」を語る時代ではない気がする。
それこそ、岡倉天心のお弟子さん、平櫛田中(でんちゅう)さんの名言
「60,70は洟垂れ小僧、人の花道は100から、100から」を通販生活の読者の皆さんには差し上げたいと思うが如何だろう。
以前どこかで触れたが、私自身の「老いるショック」はと問われれば、第一次老いるショックは85歳としている。
シニア層が例外なく認知症病変が出てくる年齢(和田秀樹氏)にあたるが、85歳から90歳を大村崑氏や石井ふく子さんを大いに参考にして運動習慣と食生活改善によりこの85歳の第一次老いるショックの壁を乗り切ろうと提言している。
そして第二次老いるショックは105歳とする。
長寿者が超えなければならない壁であり、元気な長寿者でもなかなか105歳の壁越えは容易ではない。挑戦する意味がある所以だ。
以前フランス政府保健省がフランス国民の100歳台(センテナリアン)、110歳台(スーパーセンテナリアン)の比率が増えてきていると発表したと聞く。現時点での人類最長寿年齢は同じフランス女性カルマンさんの122歳といわれる。
イタリアの大学教授(統計学者)が発表した論文によれば、彼の統計手法では「人類は長寿限界点に未だ達していない」との研究成果を明らかにした。
それによれば、
先進国で現在の先端医療を受けられるという前提で計算すると、これから30年後(2060年あたりか)には、「人類の長寿延伸」が普通に行われるはずでありその場合10年単位の寿命延伸が実現されるという。されば大還暦の120歳を上回り130-140歳が見えて来るということか。
ここで思い出すのは、元テニスプレーヤーの伊達公子氏の名言。
琵琶湖に近いご実家の伊達家は皆さん長生き。そこから生まれた名言は、最低100歳、絶対110歳、そして120歳まで生きるとおっしゃる。現在50代半ばの公子さんはどのような将来を描いておられるのか?
最近知ったが、大女優の佐久間良子さん、86歳の今も次に来る役のために今も自身の体調管理に気を使うという。
そういえば世のサユリストが追いかけてきた吉永小百合さん、今年は傘寿。80代の元気な俳優生活を続けるとどこかで語っておられた。
キューポラのある町で見せた表情は今も健在。プール通い、ジムでの筋トレ継続と理想的な生活を我らに示してくれる。
先輩たちから見れば、まだ若い幼馴染の中村雅俊君、
ドラマ撮影などで忙しくて年を数える暇もないと嘯いてくれるが、先輩の方々から見れば洟垂れ小僧にしか見えないのかもしれないな。

みうらじゅん氏の読者層の皆さんが示してくれる「老いるショック」論から始めてきたが、世の健康オタクのシニア層の皆さん
現在の健康トリセツ(①善き食事、②運動継続、③好きなこと(夢)実践)を続けながら自らの目で、身体で、これから到来するであろう人類のグレート・ジャンプを見てみようではないですか。
孫だけではなく、曾孫の時代まで見えて来る、希望あふれる明るい将来が実現するかもしれないというお話でした。

投稿者:佐々木 洋 (英語 1973年卒業)

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