去る11月18日(日)恒例のサロン仏友会が本郷サテライト3階で開催されました。当日は過去最高の67名の出席者(院生と現役学生各1人を含む)で賑わいました。
藤倉会長(1970年卒)の挨拶の後、愛知県立大学英米学科准教授であり、現役の同時通訳でもある袖川裕美氏(1980年卒)による講演が行われました。演題は「ある同時通訳者の悲喜こもごも―日本語と英語のはざまで―」。氏は、卒業後、野村総研、辞書編集会社を経てカナダに留学。英語で修士号を取って帰国し、サイマルで社内翻訳の仕事に就かれました。その後、1994年から4年間BBC ワールド(ロンドン)の放送通訳として活躍された後フリーランスとなって、NHK・BS、BBCワールド(東京)、CNNを中心に放送通訳や会議通訳に従事してこられました。オバマ大統領の広島スピーチの同時通訳などの経験を雑誌に寄稿した文章をもとに、『同時通訳はやめられない』『通訳七つ道具』などの著書を出版。朝日新聞の天声人語でも紹介されて注目されました。
当日の講演では、今年6月のトランプ大統領と金正恩総書記とのシンガポール対談後のトランプ大統領記者会見や、マクロン大統領が経済財政大臣だった頃早稲田大学で講演した時の同時通訳のエピソードを交え、同時通訳という仕事の大変さや醍醐味をわかりやすく紹介されました。会場いっぱいの参加者たちは、もともと言語に関心の深い方がたの集まりだけに、熱心に聞き入っていました。
講演会終了後は7階に移動し、いよいよ当日の懇親会のハイライト、ボジョレ・ヌヴォを楽しむ会が始まりました。2018年産の品質は、夏場の好天に恵まれ、色が濃くてしっかりした味わい。今年は特に1ランク上のボジョレ・ヴィラージュ・ヌヴォを用意できたため、例年にもましておいしいと評判でした。
今回のサロン仏友会では、6名の方が初参加。また、飛び入り参加もあって本郷サテライトの会場はまさに満席。スペースの限界に達しましたが、事故もなく参加者の皆さんに楽しんでいただくことができて大盛会となりました。今回も大勢の方にお手伝いいただき、後片付けも順調に終了することができました。皆様のご協力に感謝申し上げます。
投稿者: 中村 日出男 フランス語 1974年卒業(仏友会幹事)