自叙傳 一国際法学徒の幸運な半生 三好正弘

20181017-1    20181017-2

昭和35(1960)年英米科を卒業し、慶應義塾大学大学院法学研究科で国際法を専攻して、修士課程3年博士課程5年という長い在籍期間を経てまとめた論文で、幸運にも、昭和44(1969)年第2回安達峰一郎記念賞を受賞し、国際法研究者の生活がスタートした。

愛知大学に昭和45(1970)年から勤務し、その年の夏オランダのハーグ国際法アカデミーのリサーチ・センターで2か月の条約解釈のセミナーに参加し、その3年後、ロンドン大学キングス・コレッジ法学部に英国文化振興会の奨学金を得て留学し、ハーグで指導を受けた同じ教授に師事して最初はM.Philというコースを1年、2年目はPh.Dコースを1年、リサーチ・ステューデントとして過ごした。この留学には家族5人全員で出掛けたが、日本から派遣されていた銀行マンや商社マンなどが引越しその他のことで会社の助けがあるのと違って、何もかも自分で処理するしかなかった。その代わり、現地の事情に合わせて反って豊富な経験をすることができた。住居はロンドンの南方のサリー州オールド・クールスドンの1戸建の家で、快適な田舎生活だった。

昭和55(1980)年5-6月には米国国務省の招待で、ガイド付きの1か月旅行という大名旅行をさせてもらい、ハーヴァード、イェール、コロンビア、ヴァージニア、プリンストンの各大学に著名な国際法学者たちを訪ね、国務省、国防省、国立公文書館等政府機関訪問も行い、また旧知の米国の友人たちにも再会し、見聞を広めた。

この同じ年の夏、ハワイの東西センターで「南シナ海の炭化水素資源の共同開発に関するワークショップ」に参加してコメントする機会があり、それを皮切りにその後毎年のように海外の海洋法関係の会議やセミナーに参加することになって、40数回にわたってこの種のワークショップやセミナーで報告を行った。海外の会議・セミナー等に参加したときは、必ず少し足を延ばして旅行を楽しんだ。訪ねた国は35か国ほどになる。

昭和63(1988)年4月から6か月、ハイデルベルクのマックス・プランク比較公法・国際法研究所で客員研究員としてロンドン大学Ph.D論文の仕上げの作業を行い、ドイツ各地を巡ったのも懐かしい。

この自叙傳は3人の娘たちと4人の孫たちに私の来し方を伝えることが主眼であったが、上記の各種経験を当時の手帳を参照しながら詳しく記録しておいたので、国際法に無関係の人にも楽しんでもらえるかと思う。参加・報告した会議・セミナー等のリストと、時局評論を含む随想数篇を付けておいた。

投稿者:三好正弘(英米語 1950年卒業)

本投稿へのご意見、ご感想等はこちらまで