外大9条の会、松本さん(Po66)の講演で年明けの例会


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東京外語大・九条の会では2月4日、高田馬場F・Iビルで“ミニ講演&ワインで交流会”を開きました。2013年から始まったF・I例会、今年で5回目となりますが、TVドキュメンタリー・ディレクターの松本武顕(たけあき)さん(1966年 ポルトガル語科卒業)をお迎えして「私のTVドキュメンタリー体験-『表現の自由』と向き合って」という演題で過去に関連したさまざまなTVドキュメンタリーの舞台裏を赤裸々に語っていただきました。

松本さんはNHKのドキュメンタリー番組にも数多く関与し、NHKスペシャルやETV特集などで比較的重いテーマの番組を多数手掛けられてきました。こうした姿勢の原点にあるのが、三里塚での体験だとのことです。もちろん重い内容の番組だけではなく、『兼高かおる世界の旅』のように、よく知られた番組の編集も47本ほど担当されました。

松本さんは現在、自身で撮ったドキュメンタリー映画『ハトは泣いている-時代(とき)の肖像』の上映運動を積極的に展開しておりますが、この映画は二つの事件、「東京都美術館事件」(彫刻作家展で政府批判の文言を添えた作品の撤去を要求)と「九条俳句事件」(さいたま市の公民館が「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の句を月報に掲載拒否)を取り上げ、現在随所で問題になっている「表現の自由」に対する自治体からの規制に正面から抗議しています。松本さんがこの映画を撮ろうとした契機は、NHKでイラク戦争10周年の番組のディレクターを務めた時の経験です。来日したバグダッド在住イラク人の「我々にとって、日本がイラクに来たのは有難かったが、武器を持って来たのには違和感があった。次に来るときには温かい心と素手で来て欲しい」との言葉を削除するように指示されたのです。

話はますます面白くなりましたが、残念ながら時間の制約もあり、その後ワインを飲みながらの交流会に移りました。参加者は例年同様20人強でしたが、今回も有意義な講演内容でした。                       (2017年2月20日記)

投稿者: 鈴木 俊明 スペイン語1972年卒業

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