米国最大都市で脈々と活動して30周年へ ニューヨーク支部

NY支部2016秋

米国最大の都市であるニューヨークで産声を上げて以来、2017年で30周年を迎えるニューヨーク支部。約40人の支部員が在籍し、原則として春と秋の年2回にニューヨーク中心部マンハッタンの飲食店で定例の支部会合を開催。ほかに会員の歓送迎会なども随時実施している。
支部員の勤務先は日本政府や国際連合、金融機関や製造業、報道機関、教育など多岐にわたる。在学時の思い出話に花を咲かせたり、近況を報告し合ったり、はたまた国際情勢への認識を共有したりして交友を深める様子は不変だが、景気動向や時代背景という波を受け、構成する駐在員が入れ替わりながら活動が脈々と続いている。
発足当初は、1985年9月に決まった日米欧5カ国によるドル高是正に向けた協調行動「プラザ合意」による円高不況の余韻が続いていた。それが打って変わってバブル期には、三菱地所がニューヨークの象徴である高層ビル群「ロックフェラーセンター」を買収するなど日本企業が合併・買収(M&A)を活発に繰り返した。そんな華やかな時代を謳歌した駐在員生活も長く続かず、バブルが崩壊すると企業は業績悪化に伴う経費削減の嵐が吹き荒れた。
中でも衝撃的だったのは、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロだ。ニューヨーク支部長の杉田守支部長(E1999年卒、ニューヨーク市立大学クイーンズ校准教授)は「当時は大学院生でユニオンスクエア近くの自宅におり、消防車のサイレンが鳴り響き、焦げ臭いようなにおいが漂ってきたのを鮮明に覚えている」と大惨事の様子を振り返る。
2008年にはニューヨークの金融街「ウォール街」でリーマン・ショックが火を吹き、日本企業の業績も揺さぶって駐在員も翻弄された。近年は米国景気の緩やかな回復、円高ドル安傾向を追い風にした日本企業による米国企業の積極的なM&Aが目立つ。支部員の中には語学力と海外を理解できる感覚が買われて現地法人に派遣され、買収した企業の現地従業員との意思疎通を円滑化し、相互理解を深めるのに一役買う人たちも少なくない。
歳月が刻々と過ぎ、時代のうねりに直面しながらも不変なのが、会合への参加者が異口同音に「まるで旧知の友人と再会したようにすぐに溶け込めました」「堅苦しいイメージを持っていたが、実際行ってみるととても和やかですぐに打ち解けられ、まるで学生時代に戻ったようだった」などと感想を発するニューヨーク支部のアットホームな雰囲気だ。これが大きな売りとなっており、杉田支部長も「支部員はそれぞれの分野で大変な活躍をされている中、毎日のストレスも多いことと思いますが、支部会合が少しでも心に和みをもたらす存在となることを目指しております」と強調する。
そんな支部員同士の旧交を温め、相互理解を深める役割を果たす支部会合に加え、「もっと気軽に情報交換をしたい」との願いに応えて2016年に新設した会員制交流サイト(SNS)「フェイスブック」の「東京外国語大学 東京外語会NY支部」のページだ。登録(無料)すれば支部会合などの案内を電子メールで受け取ることができるほか、より小規模の集まりへの出席を呼びかけたり、より気軽な情報交換をしたりも可能になった。さらに、ニューヨーク支部を“卒業”した旧支部員も参加しているのを活用し、例えば東京都内で再会するという「東京外語会OB・OGによるニューヨーク支部OB・OG会」という一見ややこしい定義の会合も実現するようになった。
一方、活発な支部活動の中にも課題はある。一つは大半を占める駐在員が数年の任期ごとに入れ替わるため、支部の存在や会合を周知するための広報活動の強化だ。東京外語会の「会員だより」に加え、筆者が赴任した2013年以降に導入したのがニューヨークの無料日本語新聞での告知文掲載と、支部会合の様子を紹介する記事と写真を投稿するようにした。それらの記事を目にした卒業生が支部の存在を知り、参加して定着するという好循環も生まれている。

もう一つは、留学生をはじめとする若年層を積極的に迎え入れる取り組みだ。その一環として2014年秋に開かれた会合では東京外国語大学の金口恭久理事・事務局長(当時)ら教職員と大学院生を迎え、交流協定を結んでいるニューヨーク州立大学オルバニー校に留学している学生らも参加して盛大に開催された。
今後も支部員同士が工夫を凝らして活動を一層活発化させたいと考えており、そのためには支部会合などの集まりに参加者の皆様が加わってくださることが大きな原動力となる。ニューヨーク地区の在住者の方々はもちろん、北米に住んでいる皆様、さらに出張や旅行を通じてニューヨークを訪れる機会がある同窓生の方々にも気軽に参加していただきたい。
お問い合わせは幹事長の中川琢弥(Po1999年卒、三菱UFJ信託銀行)、メールアドレスgaigo.ny.gaigo@gmail.comまで。

投稿者:大塚圭一郎 フランス語1997年卒業、共同通信社編集局経済部次長、前ニューヨーク特派員