連休は、孫娘に誘われ福井の恐竜王国を覗いた。初の越前訪問。勝山永平寺線に乗り終着駅「勝山」を目指す。
不勉強ゆえ、勝山といえば安房の国の勝山しか頭になかった。ローカル線が、永平寺口駅あたりに来ると、かの道元禅師が開いた曹洞宗の大本山が聳え立つ、
「春は花夏ホトトギス、秋は月冬雪冴えて涼し」の和歌が聞こえてくる、
「仏道は我を習い忘れる事」とつぶやきながら終着駅、「勝山」に降り立つ。
福井県に足を踏み入れた時から、この越前の国は恐竜が県と県民を支えていることがよくわかる旅だった。
恐竜博物館、まるで恐竜の卵のような建物。冬場の豪雪対策で雪下ろししやすいためとは現地の人の説明。茲に世界三大恐竜博物館の一つ「勝山恐竜博物館」がある。
他の2つは、カナダ・アルバータ州と、中国・四川省にあるらしい、記憶では、シカゴの博物館があったが、それはティラノサウルスの世界最大の化石があるところと理解した。
1980年代から、勝山の山を掘り始め(ワニの歯の化石が見つかり、他にもあるだろうと根気よく発掘作業40年)今は第五次作業。地元企業コマツのブルドーザ等産業機械がフル回転、いつか地層が現れ、その周りに発掘チームによる大成果、福井発の5種類の恐竜がおわします。
えらいもんだ、ワニの歯の化石から、竜脚類という世界最大級の恐竜への道を広げられた関係者のご努力に頭が下がる。
道中、永平寺を望みながら、道元禅師の仏道への道1200年代(800年前)、それは間違いなく鎌倉の北条氏だけではなく日本の仏教までの偉大な足跡であろう。
しかしそこからちょいと足を伸ばせば、一億二千年前の恐竜の時代が眠っていたわけだ。日本列島がユーラシア大陸から分離、形作るのは2500万年前。それ以前の一億年近い恐竜の時代が展開された地球社会、その足跡が北陸の地で明らかにされつつある。
長生きはしてみるものである。
卵型の恐竜博物館傍には、福井県立大学の恐竜学部の研究棟。2年前設立、世界で初めての大学恐竜学部だそうだ。
恐竜大好きのちびっ子たち、未来の恐竜博士たちが、目を輝かせ飛び歩いているさまはエキサイティングである。
福井サウルス発掘現場にもいき、化石発掘に挑戦してみた。
参加者は皆、うそのように、黒色のキラキラした一億二千年前の植物化石を簡単に見つけられたようだ、
運が良ければ、二枚貝などの貝類、そしてこの日ハイライトは、チビッコが、福井サウルスの歯の化石を掘り出した。
「ダーウインが来た」の、アルファ世代、親御さんたち、さぞやお子達の将来が楽しみだろう
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恐竜博物館、野外にもたっぷり恐竜MAXの施設など充分恐竜に浸った後、近くのあわら駅から東京行の新幹線に乗る前に、あわら湯のまち駅(宿泊地)を散策、駅前に、恐竜宣伝のための白衣を着た恐竜博士の像(福井県挙げての恐竜応援マスコット)、ちょっと離れたところに、藤野先生と魯迅の像が立っていた。アッと息を呑む、ナント。
福井県を挙げて、日本を、福井県を恐竜王国にしようというそのど真ん中で藤野先生と魯迅の立像にあおうとは、いかなる偶然か。
日本語教室中国人生徒の教材に、「和製漢語」を話題にして教案に加えようかと議論があった。
明治の時代、日清戦争後の清国政府が留学生に送り込んだ一人が魯迅。
1000にものぼる和製漢語を彼ら留学生が本国に持ち帰った。
それ以上に、魯迅の本国に残したものは大きい。
医学(西洋技術)を勉強に日本に来て、東北大学医学部での藤野先生との出会い、彼の作品「藤野先生」に詳しい。
それ以上に、魯迅の頭の中で世界変革の波高く清国を取り巻く世界情勢(アヘン戦争での大英帝国による清国浸食、日清戦争での大敗北、日露戦役後の「幻燈事件=中国民族の精神的敗北」)
魯迅は、医学で中国人の身体を正す道以上に中国人の精神を正さなければいけないと決心、西洋医学の学習を捨て、文学による中国民族改革へと大いなる転向。
果たして、異国において自らの人生観、世界観を変えるまでの精神的闘いは、想像を超えている。
あわら湯のまち駅前にたたずむ藤野先生と魯迅の立像。
その後ろには、藤野氏の旧宅が三国から移築再現されている。
生まれ故郷のあわらで、最後は赤ひげ先生よろしく町医者として町民の心身を見てきた藤野ドクターと、あわら市が中国浙江省紹興(魯迅の故郷、紹興酒で有名)と、友好都市関係を結んだことから実現したこの立像。
あわら温泉というこの観光の場所で、まさか藤野先生と魯迅の像に出会うとは思っていなかった、恐竜のインパクトもすごかったが、このお二人の立像は、腹の心まで響いた。
今、米国ではトランプ大統領が、習近平夫妻を自ら迎えるために空港までメラニア夫人とともに出かけたとな。
思えば、100年以上前に第一大戦後の世界回復のため国際連盟が世に出るときに日本国からは、人種差別撤廃を連盟規約に盛り込むべく発案、会議の多数決で法案が通った、しかしながら白人優位に固執する英国や豪州の介入でアメリカはこの人類最高の理想を掲げた法案を満場一致じゃないと認められないと、わけわからん理由で葬り去った。
(当時アメリカでは、日本案に期待した、人種暴動が全国的に吹き荒れたという)
それから60年後の1980年代、日本国が経済力で米国の背中近くまで追いつき追い越そうという日本経済の黄金期があったがそれも挫折。バブルのつぶし方にも問題があった。
日本経済はそれ以降立ち上がれていない。
ここにきてようやく積極財政政策を実現できる政権が登場した、どこまで日本経済規模を回復できるか我々は見守る必要がある。
そして、中国で有る。2010年、日本国を名目GDPで抜き去り今や米国と対等に近い立場までに大きくなった。
トランプが空港まで習近平を迎えに出るなどその国際政治における立場の大いなる変化を感じさせる。
この地球社会は、真に人種差別を超えた人間社会、アジアがリードする社会を実現できるようになるだろうか?
民主主義何するものぞ感の強いドナルド(高市さんの好きな呼び名)、国民を守らない共産党政府繁栄だけの軍隊を有する中国にこの地球社会のかじ取りを任せたいと誰が考えるだろう。
日本は自らの力で、このカオス的国際政治の場で自立の道を世界に示すしかない。民族自立を希求した魯迅の道と響き合う。
あわら温泉だ、昔ながらの、「あわらミュージック」の看板は孫たちの手前スルー、銘菓「羽二重クルミ」を買い求めに走る。
勝山の新たな福井恐竜発掘の夢を期待しながら、新幹線でアルファ世代の孫娘たちと帰京した。
投稿者:佐々木 洋(英語 1973年卒業)