公民館の一室から、世界が見える⑦(「被災大国日本」に住むということ)


気象庁の説明に、日本は災害大国という。
日本に住み、外国人のための日本語教室に通う生徒さんと家族。今までどのような印象をお持ちだろうか?

誰でも聞いたことがある情報やデータからは、その通りというしかない。
① 日本の面積は世界の0.25%なのに、マグニチュード6以上の世界の地震ではその20%以上が日本である。
② 台風では、過去70年で年間26個発生するが、3個が日本列島に上陸(直撃)。
③ 火山については、活火山は日本に111個あるが、これはインドネシアに次いで世界2位。地震については、列島随所に活断層がある。避けられない。
④ 最近顕著な、「洪水豪雨」は大陸国―印度・アメリカ・中国が被害規模大きいが、日本でも発生頻度が増え要注意。
つまり、自然災害において日本は世界のトップランクにあることは事実。

さて、市役所の防災安全課から講師を呼び、生徒さん全員を集めて、防災教育をしていただく。
以下のような内容で講演してもらう。
1・住んでいるエリアのハザードマップ内容の理解。
2・マップの読み方;
特に避難場所(防災センター、近場の学校、給水センター)迄、自分の足で行けるか、マップをなぞり確認。
3・家族ともども、災害伝言板に登録をする。
4・個別災害では、地震・洪水豪雨の緊急時対応。
(地震)
・揺れが収まるまでテーブル・机の下に隠れる。
・逃げ道確保で、部屋・家のドアを開ける習慣付け
・寝ているときの地震;
―ベッドのそばに、靴(スニーカー・上履き)を置いているか?
床のガラス破片でケガしないように。
―避難時のリュック(バッグ)の用意はできているか、
食料・水・衣類出来れば3日分。
―寝る場所の棚類は、揺れで倒れてこないか?圧死を避けるための転倒防止ツール。

(洪水・豪雨-最近の要注意災害だ)
―警戒レベルは知っているか? レベル3で高齢者批難、レベル4で全員退避等。
―逃げる場所迄自分で行けるか?
―川が近い人で、水位を確かめに行く人がいるが、これは絶対回避。
―車は使わない。救急車の邪魔になるだけ。
最近の車内でなくなるケースのなんと多いことよ。

これらは基本事項、皆で共有しておこう。
「被災大国日本」であることは、日本人外国人問わず、共通認識にする。
災害に対する心構え、備えも、共通にしておこう。
外国人が絡んだ災害事故としては、やはり3・11に触れざるを得ない、ちょっときついが、我慢してくだされよ。

3・11で、対応がうまくいったケース。
地元の宮城県女川湾傍にある水産加工場。ここに中國上海から「外国人技能実習生」男女19名の若者が、働いていた。
3・11当日、水産加工会社社長は、いの一番に、彼らを近くの山に逃げるように引率、全員の命を救った。社長の活躍ぶりは上海での現地報道で、中国側の多くの人の知るところになった。
ここからが、日本人として考えるべき点である。
社長今度は自分の会社・工場が心配と工場の有る湾岸エリアまで戻り、波にさらわれ命を落とした。この町の次期町長候補であったと後から聞かされた。
うまくいかなかったケースをもう一つ。
隣町、宮城県石巻市にある小・中学校で英語を教えるATのテイラー先生。
アメリカ中西部から来ていた。生徒たちを、山に逃げる引率をして、その後ご自宅へ一旦戻ろうとして波にさらわれ命を落とした。
今、東北エリアでは、大地震後の大津波の場合、
「人てんでこ」(他者をかまう前に、まず自らが安全な高い場所への避難第一)
とする指導方針と聞いている、緊急時の仕方ない対策、必要なことだろう。
テイラー先生の場合。日本人住民と同じ情報の共有があったろうか
個人的に気にしている。
アメリカのご両親、家族、友人達、さぞ残念なことであり、日本が嫌いになっても仕方のない状況にあるが、ご両親、テイラーさんの日本好きの生き方を忘れないとして、自ら「テイラー基金」創設(理事長は元駐米大使)され、毎年石巻の学校(中学高校大学)に本寄贈の活動をされている。
とてもできることでは、ないでしょう。
石巻高校卒業の一人として、テイラーさんの育ててくれた学生たちの今後の活躍をフォローし、テイラー財団のご活動にも深謝を忘れない。
日本のアニメ(「となりのトトロ」)から日本好きの道を歩んできたテイラーさん、財団HPには、教え子の子供たちと一緒の写真(略)がある、ご関心ある方は是非基金のHPでご確認ください。
日本でのテイラーさんの活動の記憶を忘れないように、自分の戒めとしておきたい。

そして、
今2026年夏の熊本大地震、続く各地の豪雨洪水災害。
被災者の皆さんの一日でも早い復興を願う。
「被災大国日本を防災大国へ」との国のリーダーの掛け声は、すべて国民一人一人の思いと行動にかかっている。
被災状況では、先のデータから見る被災大国(自然災害大国)の現状にあるが、これまでの防災教育が浸透して、被災リスクの世界ランクが、20位グループにあることを付け加えたい。

ドイツの開発援助機関が毎年発表する被災調査では、トップ10ランクには、
フィリピン・インド・インドネシアのアジア地域、
コロンビア・メキシコの中南米地域、
アフリカからはモザンビーク、
そしてロシア・中国・パキスタンの大陸国が上位国に並ぶ。

日本は自然災害では、世界のトップランクであるが、国内のインフラ対策・医療支援体制・防災教育の徹底、なによりも各コミュニテイによる支援体制と全国にまたがる広範な協力体制もあって、世界20位グループにある。米国・オーストラリアなどが同じグループ。

「3・11を忘れない」を言うのは易しい、忘れたころにやってくるのが大災害であることを肝に銘じて日々防災感覚を磨いて備えとしたい、
嫌がられても
「3・11オオカミ少年」役を続けていくつもりです。

1960年5月(昭和35年)、チリ地震の翌日大津波が三陸に襲い掛かってきた日、空が朱赤に染まって何か恐ろしいことが起こると唯オロオロ騒いでいただけ。町の古老たちの誰もが、昭和8年の三陸大津波のことに思いが至らない。27年前のことだ、誰かが経験していたはず。
人間の記憶とはそういうものでしょう、責められない。
だからオオカミ少年役が求められる。
災害大国ニッポン、日本列島は今も災間にあることを、
忘れないで!
そして、次代に繋いでください。

投稿者:佐々木 洋 (英語1973年卒業)

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