公民館の一室から、世界が見える⑤(暑い時こそ辛味、美なるものへ)


日本語クラスも、もうすぐ夏季休暇。暫しテキストから離れ、お休タイム。
「みんなの日本語/文型文法」授業から離れて、最近関心もったことに触れたい。

上級クラスの生徒さんに、中国人の若い世代が多いこと、教室全体の半数を超えることは前に書いたが、最近、湖南省出身のレディが新たに参加した。

「湖南省の出身です」と自己紹介があると、すかさず四川省出身の生徒Tさんから、
「辛いのよね、湖南の料理」と応ずる。

さて、湖南省―これまで訪問したことはないが、確かあの毛沢東の故郷ではなかったか?
程度しか頭に浮かばない。AIジェミニ君に聴けば、劉少奇・胡耀邦など大物政治家名がぞろぞろ。そうか怖そうな省か!

1990年代後半、「外国人技能実習生」の招聘業務で、速足で中国大陸を一周した。各地の共産党幹部を頭に、貿易公司(総合商社)の幹部が並びたち大歓迎してくれ、毎晩のように白酒飲みながらの歓迎パーテイ。
このエリアから日本へ派遣する技能実習生の数と事前に必要な日本語教育の時間確保などで実務的な会談をこなした。
訪問先としては、上海・北京・大連・西安に続いて訪問の四川省成都が、個人的には思い出深い。訪問した日のことは今もありありと思い出す事が出来る。
四川省出身の生徒Tさんがつぶやく、

成都は杜甫の記念館(杜甫草堂博物館)がある町ですよと。
そういえば、博物館の入り口には、立派な漢字で大きな看板が有りゲートをはさんでその存在をアピールしていた。
杜甫の詩からの文言と思い急ぎ日本から持参の岩波新書の唐詩、杜甫のページ見開き、詩何遍か確かめる。杜甫の詩では、誰しもご存じの、「国破れて山河在り」が筆頭だろう。
大和国の72侯暦になっている「牡丹華」(ぼたんはなさく)の牡丹のあでやかさ、華やかさも捨てがたい。
白楽天、「牡丹芳」では、香り20日間に満ちて、
「一城之人、皆若狂うがごとし」と
漢文の時間に習った時の感動を思い出す。杜甫も牡丹を詠っていたはず。

同行した中国人の通訳劉さんは沿岸部浙江省の出身。穏やかな性格の方。
中國出張時には、いつも世話になった。中國の料理に触れると、四川省の辛い物は苦手と言う。(そういえば上海料理は薄味であったなと思い出す)。

ヘーッ、中国の皆さんは、皆さん辛い物がお好きと思っていたというと、
「佐々木シェンシェー、そうじゃないよ」と言って笑われた。
劉さんから、お昼は有名な「陳婆さんのお店の看板料理、麻婆豆腐」を食べに行きましょうと誘われ、歴史のあるというか、観光客が殺到する、いかにも田舎風陳婆さん何代目かが経営する、いい感じのお店に入る。
あの有名な麻婆豆腐、しかも成都本場もの。緊張を隠せないまま一口食べてみて、どんな思いをしたのかは、皆さんのご想像にお任せしたいが、日本で見るものと全く違った。
想像を絶する辛さに舌を巻く、というか舌がそうそうに瀕死状態になる。

劉さん、お土産に麻婆豆腐のパックを購入。日本に帰ってから、家族と食べてみたが、家族も全員,ても辛くて食べられませんでしたとの追加報告があった。
中國人が食べられない,辛さとはいったい何い?

さて、最近の新入生Yさんの故郷、湖南省の唐辛子の味は、四川省の辛さとは、また違うと主張する。お国それぞれでいい。
四川の唐辛子は、「麻辣」(マーラー)で、しびれる辛さ
対する湖南の方は「酸辣」(スワンラー)で、すっぱ辛いそうです。

そうですか、毛沢東がお気に入りはすっぱ辛いのか!
AI君に聴けば、その違いをモット詳しく教えてくれるでしょう。

新宿のラーメン店や韓国料理店に行けば、唐辛子の辛さを成す量についての差は理解するが辛さの質までは、まだわからない。

唐辛子の歴史を紐解けば、大航海時代にポルトガルが、中南米原産の香辛料代表唐辛子を世界に広めたとあるからには僅かこの500年くらいの出来事。
中南米の山奥には、それ以前1万年前から8000年前(ペルーで記録があるらしい)にはあったわけで、随分長いこと 我がヒト族の目に口に入ることはなかったことよと驚いてしまう。

東京にも、探せば湖南料理を食べさせてくれるお店はあるでしょう。
ご関心ある方は是非すっぱ辛さにトライしてみてくだされ。
確か、黒色の豆腐(臭豆腐)も代表メニューの一つと聞く、東大寺南大門におわします仁王様でも美味というのかな。

最近来られた湖南省のYさん、よく見るとキリっとした目鼻立ちがマスクの上からもよくわかる。
以前、中国大陸一周した際は陝西省西安の少数民族、姜族の血を引く美形に遭遇したが、当時大陸一周の印象は、お目目パッチリ型の美形にお目にかかる機会はそうないことを理解していた。

Yさん、ひょっとして湖南省のミャオ族などの少数民族の血を引いているのかも。
多民族の血が混ざれば、美形誕生は人類の常識。次の授業の合間にでも聞いてみよう。
AI君は、シニアのためにもう一つ「四川省対湖南省」のライバル争いがあると囁く。
題して、「代表的中國美人は、四川省か 湖南省か」。今のご時世、怒られるぞジェミニ君よ。

山がちの四川省には色白美人が多い、湖南省は直球型(毛沢東を見ればわかるよな)好きな男性にはついていくタイプとか。
我々漢詩好きの日本人としては、どうしても古代4美女が浮かぶ。
春秋時代BC5世紀、西施(芭蕉の句が浮かぶ)
前漢時代BC1世紀 王昭君(金がなくて肖像画フェイクからの犠牲物語)

後漢時代貂蝉―想像上の人物、そして唐時代の楊貴妃は四川省出身か。
湖南省のYさん、ある時マスクを外してクラスに参加。
美の解放MAX.思ったよりふくよかでその姿形からは、楊貴妃を思わせる、圧倒的。
これでしなだれるポーズ取られたら公民館長殿、殿方は如何したらいいの。
一転、「現代の中國美女代表は誰」とAIジェミニ君に聞けば、なんと、
ウイグル族のお若い女優の名前が次々に挙がる。ウイグル族ですか、
「食は広州、美人は杭州」ではなかったか?

共産党政府が、奴隷のように扱い、世界へこれでもかとデフレ輸出してきた太陽光パネルを安価で作らせてきた民族。あのニュースは今どうなっている?
そのウイグル族から、今楊貴妃の美女たちが生まれるというのは習近平党主席に対する歴史の皮肉か、

米中首脳会談の場では、トランプ大統領のメラニア夫人と並んでも見劣りしない習近平夫人
膨齢媛(ほうれいえん)さん。
性格が強く、政治家の夫人が多い山東省のご出身。そして「お国の歌姫」からの一大出世組。習近平さんの力を使えば、今中国美女代表にご夫人を入れての「現代中國美女リスト」のアップデートも難しくはないと思うが如何だろう。
不謹慎なりの一声が飛んでこようか?
(以上)

投稿者:佐々木 洋 (英語1973年卒業)

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